しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

新潟県『あべ THE SAZANAMI』お米の溶けやすい年にしか造らない?一風変わった趣向のお酒をいただきました。

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こんにちは、しーたかです。

「男子、三日会わざれば刮目して見よ」なんて言葉を聞いたことがあるでしょうか。

このフレーズを初めて聞いたとき「三日で変わるわけねーよww」なんて思ったものです(笑)私の直感はおそらく正しい、人はそうそう変われないものでしょう。

しかし、酒の味は三年もあれば変わる。

そう思わせてくれたのは、新潟県のお酒『あべ THE SAZANAMI』f:id:sakearchive:20180813152305j:image
柏崎市にある阿部酒造のお酒です。

感度の高い日本酒ファンの方なら誰でも知るほどにまで成長した『あべ』ブランド。

私が初めて阿部酒造を知ったのは2015年頃だったかな?その頃からは想像も付かないほど人気銘柄になったなーという印象を受けます。

私の知っている阿部酒造のお酒といえば『越乃男山』と『阿部 原酒』。

この2つは2015年~2016年頃によく飲む機会がありました。

前者はよくありそうな地元向けのローカル酒。後者はアイスワイン的な味わいを志向したお酒という触れ込みでしたが、アイスワインとは似ても似つかない、しかし粗削りながらも濃醇でキレのある個性的な味のお酒でした(今も継続しているブランドですが、最近はめっきり飲まなくなってしまったので、その後はよく知らない)。

 

私が阿部酒造のお酒を飲んでいた時期は、蔵元の息子さんが実家に戻ってきて酒造りの現場に入り始めてすぐの頃だったようです。

当時から不思議な魅力のある酒だなーなんて思っていましたが、まさかこんなに人気になるとは思いもよりませんでした。

 

さて、今回いただく『あべ THE SAZANAMI』お米の溶け具合を酒造りで表現するという一風変わったシリーズで、お米が溶けやすい年にしか造らないそうです。

日本酒の原料であるお米は農作物。ですので、収穫されるお米の出来具合はその年毎に変わってきます。

その中でも阿部酒造ではお米の硬さ・軟らかさ、つまりお米の溶け具合に着目し、その年のお米の特徴を酒造りで表現しようという試みを始めたのです。

2017年はお米の溶けにくいヴィンテージとして『あべ THE ARANAMI』をリリース。翌2018年はお米が溶けやすいヴィンテージということで『あべ THE SAZANAMI』が出荷されることになりました。

この辺の詳しい話は阿部酒造のHP内に記事がありますので、気になる方は読んでみると面白いです。

www.abeshuzo.com

『あべ THE SAZANAMI』米の甘みをビンビンに感じる!甘みと酸のバランス、そして滑らかさが秀逸な1本でした。

『あべ THE SAZANAMI』の裏ラベルはこちらf:id:sakearchive:20180726124204j:image

スペック表も貼っておきます。

原材料 米(国産)、米麹(国産米)
原料米 新潟県産 五百万石 100%
精米歩合 55%
アルコール分 16度

五百万石と言うと、溶けにくいお米なイメージがあるので個人的にちょっと意外かも?

それではいただいてみましょう!

グラスに口を近づけると、マスカットのような香り。

口に含むと、舌触りはややパウダリー。のっけから酸味を伴いながら米のコアな甘みが口の中で広がります。あーこりゃ米溶けてます!たしかにそんな味がする。

甘みのイメージとしては而今のにごり酒や『射美(いび) 特別純米酒 15 無濾過生原酒』に近いかも?まぁと言っても射美ほどは濃くはありませんけどね。酸味もきっちりある分くどさは感じません。

お米の甘みを残しつつも、フレッシュでパッと開くような溌剌さやみずみずしさもあるのでゴクゴク飲めてしまいますね。なんといっても甘酸系のお酒の中では上質な滑らかさが際立っています。

後味はやはり小気味よく酸味が効いています。綺麗なフィニッシュ。

クエン酸ではなさそうですが、なんというか白麹チックな酸味の出方してますね。ごくごく薄い苦味がいいアクセントに感じました。

おわりに

そんなわけで今回いただいた『あべ THE SAZANAMI』、私が以前愛飲していた『阿部 原酒』からは考えられないスマートな味わいでした。

甘みと酸味のバランス、そしてフレッシュさとなめらかさの融合、そこに尽きますね。

阿部酒造のお酒は飲む機会がめっきり減ってしまいまいたが、やはり今後も注目していかなければならないなと再確認させられました…!

それではまた。

 

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