しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

岐阜の日本酒を飲み尽くせ!『岐阜の地酒に酔う 2016』を大いに楽しんできました。

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今回は、先日行われた日本酒イベント
こんにちは、しーたかです。
『岐阜の地酒に酔う 2016』
の東京会場の模様をレポートしたいと思います。

『岐阜の地酒に酔う』とは

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『岐阜の地酒に酔う』は、岐阜県酒造組合連合会が主催する日本酒の試飲イベントです。
30蔵以上ある岐阜県の酒蔵の日本酒を、大吟醸から普通酒までどれでも試飲でき、立食ブッフェ形式で軽めの料理も付いてくるという至れり尽くせりな内容。これで参加費が3500円(税込)というのだから、驚くほかありません。

7月から8月にかけて、東京、大阪、岐阜と3つの会場で行われます。

というわけで私は東京会場へ行って参りました(^o^)
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東京都千代田区一ツ橋の如水会館で行われました。
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如水会館は、一橋大学の同窓クラブ「如水会」(大正3年発足)の同窓会館として、大正8年(1919年)に建設された歴史と伝統ある会館です。洋風3階建で、部屋ごとに様式が変わり、中庭に面してゆったりとしたベランダがあるなど、凝った造りと落ち着いた雰囲気で多くの方々に愛されてきましたが、老朽化著しく、昭和57年に旧館の気品と風格の再現を図りつつ新装改築されました。その後、全館改造工事を経て現在の姿となりました。 会員の親睦と啓蒙を目的として発足した会館は、卒業生の増加とともに、広く会員以外の方にも親しまれご利用いただいています。
如水会館には、主に日本酒イベントで何度か訪れていたのですが、一橋大学の同窓会館だったとは知りませんでした。
 
あの渋沢栄一が命名したそうです。何このネーミングセンス…教養の塊かよ…。勉強になりました。
中国の古典礼記の中にある「君子交淡如水、小人交甘醴」(君子の交わりは淡きこと水の如し:才徳のある者の交際は水のようにさっぱりしており、濃密ではないが長続きする)に由来し、「流れる水のように、絆がいつまでも続きますように」との想いを込めて、明治維新において金融界ならびに実業界に活躍された、一橋大学の創設者でもある渋澤栄一により、命名されました。
さっそく如水会館内に入ります。
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如水会館は、結婚式の会場に使われるような施設ですので、やはり格調高い雰囲気があります。シャンデリアもなんとなくオシャレ。
 
大階段を上がると、2Fには岐阜の地酒に酔うの会場が!
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会場に入る前から、日本酒の甘い香りが漂ってきます。流行る気持ちを抑えて、受付を済ませます。
 
『岐阜の地酒に酔う』のイベントは以前、チケット代は当日払いだったのですが、2015年からイープラスで前売り券を購入するシステムに切り替わりました。
 
スマートフォンを持っている方はイープラスのアプリを使うことで、チケット購入から会場への入場までスマートフォン一台で完結するスマチケを利用することが出来ます。
 
スマチケを使うには、イープラスのアプリにチケット情報をダウンロードさせる必要があります。
スマチケのデメリットとしては
  • スマートフォンの充電が切れたらどうするのか
  • アプリに障害が起きたときはどうするのか
など紙のチケットでは起きないような問題も起こり得ます。
が、紙のチケットでも、紛失したりチケットを家に忘れたりといったリスクはついて回ります。発券の手間もなく、手数料が無料であることを考えると、紙のチケットを持つよりスマチケを使った方が賢いかなと思うようになりました。
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開場時間の13時から5分遅れで到着すると、会場はすでに満員状態!
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「えっ!前来たときこんなに人多かったか?」
 
『岐阜の地酒に酔う』のイベントには、2年前の2014年に参加しました。そのときよりも断然来場者が増えているではないですか。体感で1.5倍ぐらい増えているように思います。
それもそのはずで、後で関係者の方に聞いたところ、昨年度(2015年度)の開催時より100人近く来場者が増えているそうです。
 
さあどんどん飲んでいきましょう。
まずは千代菊酒造さんの光琳シリーズ。江戸時代・中期の日本画家である尾形光琳にちなんで命名されたものです。
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純米の無濾過生原酒タイプで、原料米の違いで3種類用意されています。
左から秋田県産の美郷錦、北海道産の彗星、岡山県産の雄町と、岐阜県外の米を使っています。この千代菊の光琳シリーズに限らず、岐阜の酒蔵は他県の酒米を使用しているところが多かったように感じました。今回は東京での開催ということもあって「首都圏で勝負できるものを」という意気込みもあるのかもしれません。
 
このブログでは以前からちょくちょく言及しているのですが、個人的にはもっと地元産のお米で仕込んだ日本酒が飲みたいと思っています。
 
特に岐阜県は、自然豊かで大きな河川も多いので良質な米の産地ですからね。実際に岐阜県の酒米である『ひだほまれ』は結構イイ味を出してます。
 
差別化を図って色んなお米を使うのも悪いとはいいませんが、どうせ飲むなら地の米と地の水から造られた『地酒』がいいなと思うわけです。この話については、長くなりそうなので、そのうち別途記事にして投稿出来たらなと思います。
 
こちらは仕込み水のブースです。
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日本酒を大量に飲むなら水も摂取しないと死にますからね!写真を見てわかるとおり、仕込み水は大量に用意されていたのですが、開始1時間ほどで全部なくなってしまいました(*_*)途中から東京都の水道水を飲むはめに(笑)
 
ビュッフェの料理はこんな感じ。
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特に岐阜の郷土料理が出てくるとかそういうわけではありませんが、揚げシュウマイ、イカ焼き、魚の南蛮漬け、ひじき、さつまあげ、焼き鳥、モツ煮など色々出て来ます。
 
難点は、ビュッフェ台に大皿が提供されるとあっという間に料理がなくなってしまうのと、料理がなかなか補充されないという点でしょうか。ただ、もともとが破格のイベントなので文句は言えません。
 
出来れば、別料金でいいので、岐阜らしい料理を提供するブースがあったらいいんじゃないないかなぁと思いました。具体的にはヤマメの塩焼き1本○○円、けいちゃん焼き1皿○○円みたいな具合ですね。あったら注文する人けっこういると思うんですけど、難しいでしょうか。
 
こちらは岩村醸造さんの『女城主』ブース。
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岐阜県恵那市のお酒ですね。地元では『ゑなのほまれ』という銘柄でも知られています。『女城主』というネーミングは、絶世の美女と謳われた岩村城の女城主、織田信長の叔母にちなんだものだそうです。
 
私は純米吟醸をいただきました。軟水らしいすっきりした味わいで岐阜の水の良さが際立つ逸品です。その一方で純米の辛口はキレのあるしっかりとした味のお酒でした。
 
そうそう、酒蔵案内のパンフレットにも載っていましたが、こちらの酒蔵さんは、鰻の寝床のような蔵の中にトロッコのレールが残っているそうです。
表玄関と酒蔵まで100メートルもの距離があるため、重い荷物はトロッコに載せて運搬していたとか。なかなかユニークな酒蔵さんですね~今も活用されているんでしょうか?
続いてこちらは『三千盛』ブース。よく知られた銘柄とあってか人だかりがすごいです。
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混雑していてまともに撮影できなかったです…(笑)酒蔵の方とお話していると後がつかえてしまうので1杯で退散。
 
こちらは『元文』ブース!
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こちらはすべて花酵母仕込みのお酒です。
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桜や月下美人、菊、つつじの花から分離した天然の酵母で醸しています。花酵母で作られた日本酒は独特の香味がクセになりますね。
 
次は白扇酒造さんの『花美蔵』ブースへ。こちらの酒蔵さんは日本酒以外にも本みりんや料理酒も造っていて、大変評判がいいそうですね。
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ここの蔵でもっとも注目すべきは『彩』!これが普通酒の割になかなかウマイんです!
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地元・岐阜の飯米である『みつひかり』を使って桜の花酵母で発酵させたものです。
 
桜の酵母らしく香りが立ち、たっぷりとした甘口の味わい。例えるなら、ガンダムに登場するズゴックのような可愛いヤツです。これが一升瓶1500円で飲めるというのだから地元の方が羨ましい…!
 
こちらは御代桜醸造さんの『津島屋』ブース!
岐阜を代表する美酒といっても過言ではありません。
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2012年の春にスタートした『津島屋』シリーズ。透明感のある味わいと嫌みのない酸の使い方に定評のある銘柄です。米違いで色々飲み比べられるのがいいですね。
 
おや、よく見たら『津島屋外伝 四十歳の春』もあるじゃないですか。
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これは津島屋を醸す杜氏である酒向博昭さんの年齢が商品名となっているシリーズです。
 
今年は『~歳の春シリーズ』に使用する原料米の収量が少なかった影響で、仕込んだ量も極少だったとか。
私は5月に行われた吟醸新酒祭でいただきましたが、まさかまた飲める機会があるとは思いもよりませんでした。フルーティーな香りと流麗で澄んだ味わいは、流石の一言です。
 
渡辺酒造店さんの『蓬莱』ブースへ
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ギンギラギンにドギツイ色のボトルは『W(ダブリュー)』シリーズ。なんで『W』かというと
  • 渡辺酒造店の「W」
  • 世界(WORLD)に羽ばたく「W」
  • 日本で一番笑顔あふれる蔵、つまり笑いの「W」
が由来だそうです。この日のラインナップは全て50%精米の純米無濾過生原酒でした。米違いで亀ノ尾、愛山、穀良都、赤磐雄町と日本酒ファン垂涎の酒米で仕込んでいます。
 
2015年頃から始まったシリーズで、全国的にも取り扱っている酒屋さんが少ないそうです。私はまだ飲んだことがありませんでした。
 
無濾過生原酒というカテゴリーと、このボトルデザインのイメージ通り、酸の効いたヴィヴィッドでジューシーなお酒です。ラベルの見た目だけでなく中身もド派手なお酒ですね~気に入りました!
さてこちらは足立酒造場さんの『金華山』ブースです。
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足立酒造場さんのこだわりが書いてあります。
  • 岐阜県産酒造好適米 ヒダホマレを全量使用しています。
  • 米は全て10kgづつ手洗い。洗米機などは使用しません。
  • 小仕込みにより 手作業と品質管理を徹底しています。
  • 純米酒にこだわっています。よって味は濃厚です。
  • 岐阜で一番小さな酒蔵ですが、事前予約にて蔵見学・試飲出来ます。
ああこういうのいいですね~。岐阜県産米全量使用というのは好感がもてます。
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個人的には純米の中汲み生原酒がフレッシュかつまろやかな旨みもあって好みでした。
 
続いては『長良川』ブースへ
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地元用の『ヒダホマレ』と都会出荷用の『山田錦』で飲み比べ!2本とも生酒です。
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対応してくださった方は営業上手によくしゃべる方でした。似顔絵けっこう似てます(笑)
 
続いては『日本泉』ブースへ
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蔵の方に話を伺うと、『日本泉』を作る日本泉酒造さんは、冬季だけでなく一年を通して造りを行う四季醸造の蔵なんだそうです。ですので、年間を通してしぼりたての生酒を楽しむことができます。
 
また、四季醸造をするに至った経緯が面白いんですよね!岐阜駅周辺の再開発に伴って、酒蔵を本社ビルの地下に作ったそうです!
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この綺麗な建物の地下にまさか酒蔵があるとは(笑)酒蔵見学も出来るそうなので機会があれば伺ってみたいですねぇ。
 
こちらは『初緑』ブース。
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今回のイベントで最も衝撃を受けたお酒でした…。とにかくウマイ!
 
口のなかにサラッと入る飲みやすい酒質と、トロピカルで青々とした含み香のバランスが素晴らしい!綺麗な酸味が心地よく喉元を震わせるかのよう。綺麗な味わいでなおかつジューシー、なんだこれ相当ウマイぞ!
 
系統としては、新潟の『山間(やんま)』をより洗練させたような味わいかなと思いました。
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杜氏さんは『百十郎』で有名な林本店から移籍してきた方だそうです。移籍2年目でこれだけの美酒を造れるものなのか…。都内ではあまり見かけないのが残念です。この酒質なら首都圏で人気が出るのは間違いない!
だらだらと飲んでいると、近くのブースに2015年のミス日本酒の方がいらっしゃいました。
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イベントの司会を務める『白川郷』の蔵の方と各ブースを巡って、蔵の紹介をしているところでした。
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参加している蔵の紹介をするたびに、1杯ずつお酒をもらって飲んでいるそうです(笑)
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「ミス日本酒の方はやっぱり酒強いんだなぁ!」と感心すると同時に「こんなに飲んでトイレ行きたくなったら大変だろうな」と変な心配もしてしまいました。
 
こちらは恵那醸造さんの『鯨波』ブース
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これもあまり都内ではみかけない銘柄です。それもそのはず、従業員たった3人(!)の家族経営で、年間に170石程度しか造っていないそうです。
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飲んでみると、米の味もしっかりするのに、後味はサラリとしていて甘露な味わいです。あぁ実に岐阜らしい味、実直な手造りの味がします。
 
蔵の方いわく「原料米も自分達で栽培しているんですよ」「量は追わず、目の届く範囲で美味しい酒を造りたい」とのこと。聞いて納得、ああやっぱりね。
 
イベントも後半戦に入って若干飲み疲れしていた私には、丁寧に引いた出汁のように優しい味がする『鯨波』ブースはオアシスのように感じました。
 
イベントが終わってもまた飲みたいなぁと思っていたところ、幸運にも、家の近くで『鯨波』を扱っている酒屋さんを発見しました!今度、家用に一升瓶を買ってじっくり飲もう。また自分好みで応援したくなる旨い銘柄を見つけてしまいました。
 
 

おわりに

他にも色々飲んでいるのですが、酒の紹介はこの辺で終わりにしようと思います。何しろきっちり3時間も飲み続けてしまったので、味を覚えていないところも多いのです(*_*)
 
しかし、なんといっても、やはり岐阜の酒にハズレなし!以上!お疲れさまでした!
 
【追記】2017年も『岐阜の地酒に酔う』に参加してきました!イベントの模様はコチラ↓
2016年は他にこんなイベントに行ってきました!ぜひこちらの記事もご覧ください↓

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