こんにちは、しーたかです。
今回紹介するのは昨年(2017年)に初めていただいてからずっと気になっていたお酒の紹介です。
それがコチラ『朝日榮(あさひさかえ) 特別純米 本生 おりがらみ』です。
栃木県栃木市の相良酒造のお酒です。
ご存じない方も多いかもしれませんが、この『朝日榮』という銘柄、近年徐々に注目度が高まっているようですよ。
私が初めて『朝日榮』を知ったのは『若手の夜明け』という日本酒イベントでのこと。
『若手の夜明け』はそのネーミングの通り、若手の熱意のある蔵元さんが有志で集まってお酒を振る舞う試飲イベントです。
東京での開催時は毎回30蔵近くが出展しています。毎回参戦している主要な銘柄をいくつか挙げると、『陸奥八仙』『紀土』『仙禽』『澤の花』あたりが出展していると言えば大体のレベルが想像出来るかと思います。
業界関係者も多く訪れるイベントなだけに、試飲で評価されれば、たちまち人気銘柄になっていく可能性もあります。
『ちえびじん』や『荷札酒(加茂錦)』は『若手の夜明け』を足掛かりにどんどんステップアップしていった成功モデルでしょう。
しかし、イマイチな酒を持っていくとたちまちに評判を落としてしまう可能性もないわけではありません。そういった意味では、酒蔵さんにとって諸刃の剣のようなイベントなんですよね。
跡継ぎの息子さんの事故から、娘さんが酒造りに入ることに。初の責任仕込みを経て牙を研ぎ続け、満を辞して『若手の夜明け』での出展へ。
上記の理由において出品する側のリスクが大きい『若手の夜明け』。それだけに『朝日榮』を造る相良酒造も満を辞して出展したのでしょう。
以前までは越後杜氏を雇って酒造りをしていた相良酒造ですが、ここ数年で方針を変更し、最近は蔵元の娘さんが酒造りの責任者となり、じわじわと酒質に磨きをかけていました。
元々は蔵元の息子さんが酒造りに入るはずだったものの、事故で車イス生活を余儀なくされてしまったそうです。
現場に入れなくなった息子さんの代わりに娘さんが酒造りに入る。そんな家族愛溢れるエピソードを聞いたら無条件に応援せざるを得ませんって…!
と、まぁこんなエピソードもありますが、お涙頂戴で売れているわけではないというのは『朝日榮』を一口飲めばよくわかること。
派手さはないものの、控えめで軽い口当たりな酒質の『朝日榮』は、スター銘柄揃いの『若手の夜明け』の中でも上々の評判を集めていたように思います。
『朝日榮 特別純米 本生 おりがらみ』うすにごりのお酒としては非常にさらりとした軽やかな酒質設計
『朝日榮 特別純米 本生 おりがらみ』の裏ラベルはコチラ
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 栃木県産 あさひの夢 |
酵母 | T-ND(栃木県酵母) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | +3.5 |
酸度 | 1.7 |
アルコール度 | 16% |
原料米・酵母・仕込み水ともにオール栃木という地元密着型のお酒です。
裏ラベルには『朝日榮』のネーミングの由来も綴られています。
朝日榮は、朝もやの中を昇る清澄な朝日のように、始まりの予感と繁栄を願って命名されました。青葉に輝く朝露のように、穏やかで優しく包み込む味わいと、心地よいキレをお楽しみください。
さて、いただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、マスカットや洋梨のような清楚な香りがエレガントな味を予感させてくれます。
果実系の香りがメインなのですが、香りは大人しめで優しく調和のとれた印象がありますね。
あぁこれはいい。こちらが心を開けば優しく微笑みかけてくれるようなそんなイメージ。
口に含むと、粉雪のようにパウダリーな甘旨みが慎ましく口の中に広がっていきます。含み香はやはりマスカット系、ぼんやりとした輪郭を描きながら余韻を残します。
裏ラベルの商品説明にあるように「朝もや」「青葉に輝く朝露」「穏やかで優しく包み込む味わい」というキーワードがしっくりくるなぁ。
おりがらみのお酒の中ではかなりライトなタイプかと。透明感もあり、サラサラとしたテクスチャーが好印象です。いい意味でエアリーな軽さが際立っていますね。
後味は微量の苦味を残しながらも、滑らかにストンと落ちるようにすっきりキレていきます。
おわりに
というわけで今回いただいた『朝日榮 特別純米 本生 おりがらみ』、清楚かつ軽やかで押し付けがましくない好感の持てる味わいのお酒でした。
今回は酒単体でいただきましたが、これは食中酒としていただくのがベストでしょう!
透明感があって、軽さもあり、すっきり飲めて、食事の邪魔をしない。目指している方向性がはっきり見てとれるいいお酒でしたねー。
今後も注視していきたい銘柄です。
それではまた。
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