しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

富山県『羽根屋 純米大吟醸 新酒 しぼりたて 無濾過生原酒 29BY』四季醸造ゆえの全国最速しぼりたて。優美かつジューシーな味わいにやられました。

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こんにちは、しーたかです。

今回は富山の人気蔵・富美菊酒造から待望の29BYがリリースされました!

それがこちら『羽根屋 純米大吟醸 新酒 しぼりたて 無濾過生原酒 29BY』です。f:id:sakearchive:20171006115037j:image
相変わらずイケメンなラベルの今回いただく羽根屋。なんと「全国で最速の29BY」だそうです。はっや!

「BYってなんだ?」と疑問に思った方のために補足しておきますと、『BY』とは『Brewery Year (ブリュワリー・イヤー)』のことを指しています。

日本語にすると『酒造年度(醸造年度)』という言葉にあたります。つまり『BY』=『酒造年度』ということですね。ここまでは大丈夫でしょうか?

で、この『BY(酒造年度)』というのは、日本酒の醸造についてどの時点を1年の区切りにするかという話でして、7月1日から翌年の6月30日までを指します。

一般企業や公的機関で用いられている、4月に始まり3月に終わる会計年度と異なるのは、日本酒業界がお米の収穫に合わせて動いているからなんですね。

一般的な酒蔵は、その年の新米の収穫時期に合わせて動き出し、秋から春頃までにかけて集中的にお酒を仕込みます。冬の寒い時期に仕込めば日本酒造りに悪影響を及ぼす雑菌の繁殖も防げますからね。

そういったわけで、一般的な酒蔵さんのスケジュールでは、新酒の『しぼりたて』、2017年で言えば『29BY』が出来上がってくるのは早くても11月頃なのですが…

今回の『羽根屋 純米大吟醸 新酒 しぼりたて 無濾過生原酒 29BY』はなんと10月の初旬にリリース!他の酒蔵より圧倒的に早く新酒を出荷していることになります…!

「なんでそんなに早く出来るのか?」その答えは『羽根屋』を醸す富美菊酒造が採用している四季醸造にあります。

…あぁ!話がだいぶ長くなってしまいましたので、一旦休憩(笑)見出しを挟んでから、また少し説明していきましょう。

『羽根屋』の日本最速29BYは、芳醇かつピチピチな味わい!あぁもうすぐ新酒のシーズンが始まるんだなぁって思うとワクワクしますね。

こちらが今回の『羽根屋』の裏ラベルです。f:id:sakearchive:20171006115040j:image
スペック表も載せておきますね。

原料 米・米麹
使用米 五百万石
精米歩合 50%
アルコール度数 16度
日本酒度 ±0

裏ラベルによると製造年月は2017年9月とありますね。

ちなみに、日本酒のラベルに記載されている製造年月は、出来上がった日本酒をタンクから瓶に詰め、いつでも出荷出来る状態にした日を指しているため、必ずしも日本酒を製造(上槽)した日=製造年月というわけではありません。

が、この『羽根屋 しぼりたて 29BY』はしぼりたてというぐらいですから、おそらく9月に搾ったものなのでしょう。

ここで先の話に戻ると、一般的な酒蔵の新酒の出荷スケジュールは早くて11月頃という話をしていましたね。その理由は①お米の生産に合わせて酒蔵が動いている②雑菌の繁殖を抑えるため、菌をコントロールしやすくなる寒い時期になってから造る、という2点にあります。

そういうわけで、一般的な酒蔵は11月頃から本格的に始動する、と。以上の前提を考えると、新酒を10月の頭に出荷するというのは相当早いわけです。

『羽根屋』がこれだけ早く『しぼりたて』を出荷出来ているのはなぜなのか?というと、『羽根屋』を醸す富美菊酒造では一般的な酒蔵のスケジュールとは異なる四季醸造を採用しているからです。

冷蔵の設備の下で、四季つまり1年じゅう酒造りをしているため、造ろうと思えばどのタイミングでも新酒を出荷出来る、というわけなんですね。

富美菊酒造が四季醸造に踏み切った理由などについては、いまでやのオンラインショップに詳しい記事があるので、興味がある方は読んでみるといいかもしれません。

www.imaday.jp

全国でも数少ない四季醸造蔵だからこそ可能となった全国最速のしぼりたて『羽根屋 純米大吟醸 新酒 しぼりたて 無濾過生原酒 29BY』早速いただいてみましょう。

グラスに口を近づけると、新酒らしい健やかな青さにフルーティーな香り。おそらく金沢酵母なんだろうか、特有の派手すぎないが甘い香りがフワッと鼻をくすぐります。

口に含むと、羽根屋らしい透明感のある甘みに思わず「おーこれこれ」と頷いてしまいます。

透明感のある伸びのいい甘みの後には、ジュッと口のなかで弾けるような溌剌とした新酒ならではのピチピチ感がたまりません!ウマイですねー。

ちなみに、開栓初日と開栓2日目にいただいたのですが、1日経ってしまうと開栓初日の感動は越えられませんね…(笑)

とはいえ開栓初日がとびきり美味しいだけで、2日目以降もかなりイケてる酒には変わりはありませんのであしからず。

今回のしぼりたてバージョンの『羽根屋』のように開けたてが勝負!なお酒は、出来れば1日で飲みきってしまいたいところですが、こちらのお酒は1升瓶でしか販売されていないようですね。

今回に限らず『羽根屋』の限定商品は1升瓶のみ発売というパターンが多いのが唯一といっていい難点。

出来れば4合瓶も発売していただけたら、もう少し積極的に買えるのになぁと思ってしまいます。

とはいえ、かなりハイレベルな味わいだった『羽根屋 純米大吟醸 新酒 しぼりたて 無濾過生原酒 29BY』

少量限定のお酒ですが、まだ売っている酒屋さんもあるようなので気になる方はぜひチェックしてみてはいかがでしょうか?

それではまた。

『羽根屋』の富美菊酒造の隠し酒!『羽根敬喜』をいただきました。詳しくはコチラ↓

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『羽根屋』のその他のお酒もレビューしています。こちらもぜひご覧ください↓

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