こんにちは、しーたかです。
お盆も終わって、もうそろそろ夏の終わりが見えてきました。
夏の終わりは近づいてきた、といってもまだまだ暑い時期で秋を感じる要素はまだ何もない。小学生も絶賛夏休み期間で、世のファミリーは、子供の遊びに付き合ったり、夏休みの宿題の手伝いをしたりで大忙しだろう。
で、タイトルで出オチしているですが、
本日は『ひやおろし』の出荷、さすがに早すぎねぇか!?って話です。
Twitterで酒屋さんの入荷情報をウォッチングしていたら、『ひやおろし』が、もうこんなに販売されているらしい…。
尾瀬の雪どけ 純米大吟醸 ひやおろし(群馬)
— 田島屋酒店 (@tajimaya_sake) 2016年8月20日
水蜜桃を想わせる甘みを伴った心地よい香りと、ひと夏越えた凜とした山田錦ならではのふくよかな旨味を柔らかな酸が包み込み、穏やかに幕を引く… https://t.co/85RXpsjgGQ pic.twitter.com/deFURlzInN
続々と秋の日本酒が入荷してまいりました! 秋のお酒は、夏酒に比べガラっと変わり濃いめの味わいに! ひやおろし、秋上りなど、呼び名はたくさんありますが、まずは気軽に飲んでみてください♪https://t.co/k9a1zTyoiA pic.twitter.com/gV6cxg7HUE
— 伊勢五本店【中目黒・千駄木】 (@isego1706) 2016年8月20日
【新入荷】松の司 純米吟醸 黒松
— 酒のやまもと 大阪店 (@s_yamamotoosaka) 2016年8月22日
1800ml 3,500円(税抜) 720ml 1,750円(税抜)
酒のやまもとオリジナルの黒松ひやおろしが今年も入荷しました。フルーティかつ円熟した味わいをお楽しみ頂けます。 pic.twitter.com/U3zzX8wbw9
秋酒ひやおろし限定酒 一発目! 群馬県「水芭蕉」純米吟醸ひやおろし コクがあり旨みタップリの円熟された味わいが特徴。https://t.co/SMJ6nHdRqB pic.twitter.com/Wa6AB1JrEL
— (有)永井酒店 (@nagaisaketen629) 2016年8月22日
『ひやおろし』バンバン販売されていますね。
ちょ、ちょっとまてよ、まだ8月なんだが…秋にはまだ早いし、夏気分をもう少し味わっていたいんだ俺は…。
日本酒における秋の味覚、ひやおろしとは…?
とここまで読んで『ひやおろし』とは何ぞや?という方もいらっしゃると思うので、日本名門酒協会の公式サイトから『ひやおろし』の定義を引用します。
「ひやおろし」とは、江戸の昔、冬にしぼられた新酒が劣化しないよう春先に火入れ(加熱殺菌)した上で大桶に貯蔵し、ひと夏を超して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃、2度目の加熱殺菌をしない「冷や」のまま、大桶から樽に「卸(おろ)して」出荷したことからこう呼ばれ、秋の酒として珍重されてきました。
要するに、冬に搾った新酒を、一度だけ加熱殺菌して、秋になるまで蔵で寝かせてから出荷するお酒を『ひやおろし』というわけですね。
半年近く熟成させて出荷した『ひやおろし』は味が乗っててまろやかな風味のお酒になります。
フレッシュで青々しい味わいが特徴的な新酒の『しぼりたて』も魅力的ですが、秋の『ひやおろし』もまたオツな味わいというわけです。
『ひやおろし』は秋の酒じゃなかったのか?
『ひやおろし』は秋の味覚ともぴったり合うので、毎年発売が楽しみな季節商品です。
とはいえ、発売時期ちょっと早すぎないですかね?
だって秋の酒だぜ?引用した『ひやおろし』の説明にもあったけど、もともとは、ひと夏を超して外気と貯蔵庫の中の温度が同じくらいになった頃出荷するというのが、起源ですからね。
確かに暦の上では立秋ですけど、まだまだ暑い時期に『ひやおろし』を見かけると違和感しか感じません…。
執筆している時点(2016年8月22日)でかなりの数の『ひやおろし』が発売されています。早い蔵だと8月の上旬に出荷しているようです。
いやいや、ハッキリ言ってやりすぎだろ!
蔵にはいろんな事情もありますし、マーケティングの観点から言っても少し早めに出荷した方がいいというのもあるのでしょう。消費者は新モノに食いつくしね。
そんなこともあって『ひやおろし』の出荷時期が年々早まっているような印象があります。
百貨店やアパレルのセールと一緒ですね。「他社に乗り遅れるな、我先に我先に」とセールの開始時期はどんどん早くなっていますよね。
ここで私が一番危惧しているのは、『ひやおろし』の出荷時期がどんどん早くなることで、大して熟成していない『なんちゃってひやおろし』が出てくるのではないかということです。
味乗りしていない薄っぺらい『なんちゃってモノ』なんか飲みたくないですよ、私は。
全国統一のひやおろし解禁日を設けるべきでは?
マーケティング重視の日本酒業界の潮流からすると、数年後、10年後には、熟成感のない、まろやかな風味のない『ひやおろし』が販売される、そんなこともあり得るのでは、と思っています。
『なんちゃってひやおろし』が発売される…そんな事態を避けるためにも、
全国統一の『ひやおろし』解禁日を設けるべきではないでしょうか?
ワインでも同じように解禁日が定められているものがありますよね!そう、ボジョレー・ヌーボーです。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日は毎年11月の第3木曜日と決まっています。ボジョレー・ヌーボーの解禁日が決められた理由は以下のような理由からです。
このボジョレヌーボーはなぜ解禁日があるのでしょうか?前にお伝えしたように1967年まではボジョレヌーボーには解禁日がありませんでした。もともとこのヌーボーはボジョレの中でも非常に人気のあるワインであり、市場に出せば売れるものですから、各メーカーが我先にと出荷するようになりました。そして、この競争がエスカレートしてまだワインとして出荷できないものまで市場に出回るようになり、消費者の信頼を損なう事態に陥ってしまったのです。そこで“ボジョレヌーボー”というブランドを守るためにフランス政府によって解禁日が定められたというわけです。
ボジョレー・ヌーボーの解禁日が定められたのは、粗悪なワインの流通を防ぎ、ひいてはボジョレー・ヌーボーのブランド価値を守ろうという訳だったのです。
もちろん私は、日本酒を造る酒蔵の良心を信じています。
ですが、イマイチ味が乗りきれていない酒が出荷されないとは言い切れません(というか、もうすでにイマイチ味乗ってないのあるよな)。
というわけで、私としては適正な『ひやおろし』の解禁日を定めてほしいと切に願います。
おわりに
このまま『ひやおろし』の出荷の時期が早まっていくと、7月から出荷を始める蔵も出てくるのではないでしょうか?
キャッチコピーは「ひと夏越せませんでした、盛夏のひやおろし!」でいかがでしょう。
イヤイヤ、そんな嫌だ!!!!!
それではまた!