こんにちは、しーたかです。
今回はちょっと面白い銘柄を持ってきました。
石川県の日本酒『加賀ノ月 純米大吟醸 月光』です。『加賀ノ月』は石川県小松市の加越酒造さんの商品です。小松市といえば歌舞伎の町であり、勧進帳の物語の舞台となった地域として有名ですね。
黒いボトルに描かれた満月のぼうっと光るその様は、捉えどころがなく、神秘的な感じがします。
さっそく開栓して冷酒でいただきます。
大吟醸のわりに香りは控えめ。香りプンプンフルーティー大吟醸って感じの酒ではなさそうです。
口に含んでみると、まず最初に思ったのは「ずいぶん硬い酒だな!?」ということ。綺麗にすっきり飲める酒質でありながら、どこか硬質な印象…!「硬く、シンプルな酒なのかな?」と思っていると、ほんのりとした米のうま味と微かな酸味が後味として追いかけてきます。個人的な経験則から考えると、シンプルでありながら複雑さも見え隠れするこの酒は、冷酒で飲むなら開栓してから数日置いたほうがよさそうな感じがします。…もしや、けっこう玄人好みするタイプの酒なんじゃないだろうか?
『加賀ノ月 純米大吟醸 月光』その真価は燗酒にあり!
まぁこのままレビューを終えるのもアレなので、次はお燗で飲んでみようと思います。ボトルの肩にも貼ってあるように、『加賀ノ月 純米大吟醸 月光』は全国燗酒コンテスト2016のプレミアム燗酒部門で最高金賞を受賞しているとのこと。
大吟醸で燗酒というと顔をしかめる人もいるかもしれませんが、モノ次第では全然アリだと思います。有名どころでは福井県の黒龍酒造が燗酒向けの大吟醸『 九頭竜 大吟醸』を発売しているぐらいですしね。
たしかに、冷酒で飲んだあの硬く複雑な感じは、燗をつけると一気に昇華しそうな気がします。面白そうだ。
さっそく燗でいただいてみる。
すると、冷酒で飲んだとき感じた硬さは全く感じられず、柔らかい味わいに変化しています…!冷酒と燗でこんなに表情が変わるのかぁ。じわりじわりと後からくる米の旨みと酸味もいい方向に作用しています。同じ石川県の酒で例えると『奥能登の白菊 純米酒』をもう少しライトにしたような味わいか?主張しすぎず、あくまで控えめに、料理を引き立てる黒子のような酒ですね。
おわりに
『加賀ノ月 純米大吟醸 月光』なかなか楽しませてくるお酒でした。
冷酒でも燗でも美味しく飲める上に、温度によって味がガラリと変わるのがいいですね。値段も大吟醸のお酒にしてはお手頃なので、一升瓶で1本買って家でダラダラ飲むのも悪くないと思います。
酒質的にも、開栓直後より数日経ってからの方が本領を発揮するタイプなので、その辺の変化を楽しめるのがいいですね。
それではまた!
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