しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

金沢・香林坊『酒と肴 猩猩(しょうじょう)』アットホームな雰囲気の中でいただく絶品の酒肴に酒がとまらず…。

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こんにちは、しーたかです。

今回も金沢旅行の話が続きます。1日目の夜は香林坊エリアに繰り出すことに。f:id:sakearchive:20180204005536j:image
街の中に小さい川?用水路?が流れています。落ち着いた情緒のある町並みがいい感じ。

この先に行くと金沢一の繁華街・片町があります。でも片町はパス。雑然とした繁華街を歩くのは東京だけで十分かなと。よほどお目当てのお店でもない限りはわざわざ立ち寄らないでもよいでしょう

今回訪れたのは『酒と肴 猩猩(しょうじょう)』。香林坊の街の中ほどにあるお店で、この界隈では有名な居酒屋さんです。
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この小さい橋の向こうが目的のお店。過去にはあの太田和彦氏もこの橋を渡ったそうです。

看板に『酒と肴』とあるように、主に北陸地方の銘酒に地の鮮魚、気の利いたつまみが楽しめるお店です。f:id:sakearchive:20180204005606j:image
金曜日の晩なので、どこのお店も混んでいるだろう。そう踏んで遅い時間に予約を入れたのが正解で、ちょうどお客さんが捌けた後の落ち着いたタイミングで入店することができました。

『酒と肴 猩猩(しょうじょう)』酒飲み泣かせの飲ませるつまみ。日本酒のセレクトから提案も素晴らしい!アットホームでいいお店です。

店内を見渡すと8席ほどのカウンターに6~8名程度入れそうな小上がりの席のみという、なかなかこじんまりした空間だ。

「ちょうどいま一段落したところなのよ~」とケタケタ笑う女将さんに促されてカウンター席へ。

店内の奥には、年季の入った料理や日本酒の書籍がたくさん並んでいます。日本酒の書籍をいろいろ収集している私でも、見たことないモノがありました…見せてもらえばよかっただろうか。

こちらのお店はお任せのコースもやっているうようですが、今回は単品で好きなものをいただくことにしました。お通しはちょっと甘めの煮こごり。
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何をいただくか、まぁせっかくだから一発目から日本酒を。ということで手始めにいただいのは『能登誉 千枚田 純米酒』。やっぱり石川の酒を飲まないとね。
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能登のお酒というと、全般的におおらかな甘みのあるお酒が多い傾向にあります。その中にあって『能登誉』は珍しくややライトなタイプ。白身の魚の上品な味わいを活かす酒っていうんですかね。関東にはそれほど入ってこないのがもったいない。まぁ飲めるうちに楽しむことにします!

日替わりの日本酒は『農口尚彦研究所』や『遊穂』『奥能登の白菊』『勝駒』『菊姫』などなど。関東の日本酒ファンにも馴染みのある銘柄も多いですね。

レギュラーの日本酒は『五凛』『獅子の里』『手取川』『萬歳楽』『黒帯』といった石川県勢に、『黒龍』『越乃影虎』といった近隣の有力銘柄も。

「~ください!」とお酒を頼むと「1合?2合?それとも3合?」と勢いよく聞かれます(笑)

そういえば店名の『猩猩』はオランウータンに似た中国の想像上の動物で、大酒飲みらしい。あぁなるほど、そういうことね、と膝を打ちました。

 

さぁつまみをいただきましょう!まず1皿目は『クリームチーズの味噌浸け』。
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日本酒を扱う銘酒酒場では定番といっていいぐらい人気のメニューですね。ありきたりな1品ですが、何故か他の店で食べるより断然にウマイ。浸かり方が絶妙すぎる…。まさに酒盗だ。

次はお刺身をいただきます。こちらは『水蛸の炙り刺し』。
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日本海側では冬が旬の水蛸。『炙り刺し』という食べ方は初めてかもしれない。

軽く炙った香ばしさ、みずみずしくプリプリとしていて、コリコリなあの食感。噛むごとに溢れる旨み。

これほどまでに美味しい水蛸は食べたことがありません。一皿でここまで色んな要素を楽しめるって凄すぎます。水蛸で感動するとは思いませんでした…。

これだけで予約してよかったなーと思えるレベルですが、超絶レベルの酒肴はまだまだ続きます。

次もお刺身。『真鯛の昆布〆』と『梅貝(バイガイ)』をいただきます。
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真鯛が1人前に少し足りなかったらしく、オマケで梅貝をつけてくれました。

新鮮な真鯛をいい状態のうちに軽く昆布で〆ているようです。舌にそっと乗るような旨みに思わずニンマリ。

「左手は添えるだけ」某バスケ漫画の台詞を思い出すような、そのさりげない左手使い(=昆布〆)がニクい仕事っぷりです。

巷では「延命」目的で昆布〆にして、ごまかしごまかし客に提供するショボい居酒屋が多い中で、こちらのお店では「より旨く」するために昆布で〆たということがよくわかります。あ、オマケでいただいた梅貝も上々のお味でしたよ。

続いては『能登115のホイル焼き』をいただきます。能登115は能登のブランドの椎茸!ただの椎茸だと思って食べると衝撃的なウマさにびっくりすると思います…!
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写真ではわかりづらいですが、サイズはけっこう大きめです。焼く前は男の人の手のひらでギリギリ収まるぐらいかなーというサイズ感。これよりもう一回り大きいサイズの最上級品『のとてまり』はべらぼうな価格で取引されています。

ホイルを開けると、ブワーッと広がる香りに思わず「うおっ」と声を上げてしまいます。

普通の椎茸とは明らかに違う強い香り…そして食べると肉厚の身がプリップリで中から汁がジュワっと溢れる、これがすんげー旨いのね。こんないい椎茸を食べてしまったらもう普通の椎茸は食べられません!

「うめーうめー」言いながら食べていると、お手隙になった板長さんが石川県の食材について色々教えてくれました。そこに女将さんも混じって止まらない石川食材トーク(笑)この人たちめっちゃいい人だ…!

そんなこんなで話し込んでいると、気づけば私たち以外のお客さんは全員お帰りになっていました。

最後にお酒を一杯だけということで、オススメの『菊姫 山廃純米 無濾過生原酒』をいただきます。つまみもラスト1品!「菊姫に合わせるならこれがいい」と出してもらったのが『鱈の白子酢』です。
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菊姫の無濾過生原酒は単体で飲むと、かなり濃醇で旨酸っぱジューシーな感じの味わいです。

力強い味わいの山廃仕込みですから、肉料理あたりと合わせるのかなー?なんて思っていたのでこのセレクトはかなり意外でした。白子も濃厚な旨みがあるけど、酒の味の方が勝ちすぎるのではと思ったんですよね。

が、これが合わせてみるとなかなかいい組み合わせ!菊姫の力強さと白子の旨み、そして何より菊姫独特の酸っぱさとポン酢の酸味が不思議なぐらいよく合ってるんですよねー。

この酸味の合わせかたは相当にわかってる人じゃないと出来ない芸当だと思います。おみそれしました!!

おわりに

というわけで今回訪れた『酒と肴 猩猩(しょうじょう)』、お店の方の人柄のよさ、酒飲みの心をとらえる充実のつまみ、ツボを押さえた日本酒のセレクトに大満足いたしました!

一見なんてことない居酒屋料理なんですけど、これがじつに旨い。食材や酒としっかり向き合っているからこその的確なペアリングも光ります。

ここが地元なら間違いなく通ってしまうな~。また金沢に行った際は必ず再訪したいお店です!

それではまた。

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