しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

兵庫県『菖蒲渓(しょうぶだに) 生酛特別純米酒 生』龍力の本田商店と君嶋屋のPB商品。来年以降もずっと続けてほしいと思える上質な仕上がりでした。

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こんにちは、しーたかです。

今回は君嶋屋のPB商品が気になって、何となく購入してみることに。

それがコチラ『菖蒲渓(しょうぶだに) 生酛 特別純米酒 生』です。f:id:sakearchive:20180701145819j:image
兵庫県姫路市の本田商店のお酒です。『龍力』の醸造元と言えばわかりやすいでしょうか。

兵庫県といえば酒米の王様と評される山田錦のふるさとであり、灘を擁する古くからの銘醸地。

本田商店では地元のコネクションを活かし、使用する山田錦のすべてを特A地区産にこだわっています。

『龍力』を醸す本田商店は1921年創業と比較的後発の酒蔵ですが、本田家は元禄時代から播州杜氏の元締めとして活躍してきたこともあり、日本酒シーンへの影響力は絶大です。

さて冒頭でも少し触れましたが、今回いただく『菖蒲渓 生酛特別純米酒 生』は有力酒販店である君嶋屋のPB商品です。

君嶋屋は本田商店といい関係を築いているんでしょうね~。数年前には米の出来がいい年にしか造らない超高級品『奥吉川(おくよかわ)』をリリースしたことで話題になりました。

最高クラスの山田錦を35%まで磨いた生酛造り、日本酒ファンとしては気にならないわけはありません…!

ただ『奥吉川』は酒質へのこだわりの分、お値段もなかなかアッパーです。4合瓶で10000円超ですからね~…。

「庶民にはなかなか手を出しづらいなぁ」なんて思っていたら、2018年からセカンドライン的な扱いの『菖蒲谷』をリリース。この辺り君嶋屋は商売上手ですね。まんまと買ってしまいました(笑)

お米にこだわる『龍力』らしく、酒米には兵庫県の特A地区の秋津に隣接した少分谷(しょうぶだに)の山田錦を使用。

酒米にこだわり、生酛造りで手間のかかるお酒でありながら、4合瓶で3000円程度とてが届きやすいお値段です。高級商品へのイントロダクションとしてはちょうどいい価格設定ですよね。

「ワンランク上のフラッグシップ商品を購入する前に、セカンドラインのお酒で方向性を確かめたい」そんな個人的なニーズに合致したこともあり、今回購入した次第です。

『菖蒲渓 生酛特別純米酒 生』少分谷産の山田錦のポテンシャルをあますことなく引き出した米のパワー溢れる味わい。フレッシュでややエレガントさも感じさせるスタイルです。

『菖蒲渓 生酛特別純米酒 生』の裏ラベルはこちらf:id:sakearchive:20180701145842j:image

スペック表も貼っておきましょう。使用酵母、酸度、日本酒度と詳しく公開されているので日本酒ブロガー的にはありがたい限りです!

原材料 米、米こうじ
原料米 兵庫県特A地区東条少分谷産 山田錦 100%
精米歩合 65%
使用酵母 熊本酵母9号(KA-401)
日本酒度 +3.5
酸度 2.0
アルコール分 16%

商品説明は日本語と英語のダブル表記。

栽培に必要なミネラル分を豊富に含む、東条 少分谷産の山田錦を100%使用。 上品で穏やか香り(原文ママ)と洗練されたふくよかな味わいをご堪能いただけます。

とのことです。

「穏やか香り」は「穏やかな香り」と言いたかったのでしょうか。高価格帯のお酒で説明文の脱字は正直いただけません(-_-)

この辺はちゃんと修正してもらえないと贈答には使えないかな。まぁ自分で飲む分なので構いませんけどね。

それではいただいてみましょう!

グラスに口を近づけると、生酒らしい青さの残る香り。フレッシュでクリアな香りの中にも硬い酒質を連想させるような何か力強いニュアンスが感じられます。

生酛由来らしい乳酸系のニュアンスの奥にはうっすらとリンゴのような香りもあってなかなか複雑です。すでに只者じゃない雰囲気がプンプンしてきましたよ…!

口に含むと、青リンゴのようなうっすらとした含み香とともに外連味のないフレッシュで澄んだ甘みが舌を湿らせます。

そのまま舌の上で転がすと、波紋のように米のパワーが口じゅうに広がっていきます。おっこれは凄い!

味としてはシンプルな構成なんですけど、その中にも複雑性を感じるというか、これがきっと米のポテンシャルなんだろうなぁ。

あくまで軽さを残しつつも、良い酒を飲んだ時にしばしば感じるしなやかさやハリがあっていいですね。白ワインに通じるミネラル感を感じなくもないような?

このお酒を造るにあたって生酛造りを選択したのは、山田錦のポテンシャルを余すことなく発揮させるためなんだろう、そんな意図をひしひしと感じます。

「トラディショナルな製法が最近流行っているから生酛にしてみました」とかそんな不純な動機ではなくて「いい酒を造ろう、米の力を最大限に引き出そう」とした結果、自然と生酛造りを選択したという印象を受けました。

いい酒は狙いが明確。背景が見える酒はいい酒なのです。

【参考】日本酒感想日誌さんでも同スペックのお酒のレビューが掲載されています。

osakasj.blog.fc2.com

それではまた。

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