しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

山形県『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX(フェニックス)』R.I.P.黒田利朗氏。日本国内では君嶋屋のみの扱い

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こんにちは、しーたかです。

最近は日本酒イベントの記事が続いていた当ブログ。今回は久々に日本酒単体での紹介。

本日の1本は、山形県『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX(フェニックス)』です。f:id:sakearchive:20170629163033j:image
製造する日本酒のすべてが純米大吟醸規格で有名な楯の川酒造のお酒ですね。

以前、当ブログでも『たてにゃん』シリーズを紹介したことがあります。愛らしいラベルと優しい飲み口が特徴的な1本でした。

sakearchive.hatenablog.jp

『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX 』はフランスのロックバンド『PHOENIX』とのコラボ商品だ!

さて、 今回の『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX 』、猫の次は不死鳥ときました、「いったいその心は?」というと、フランスのロックバンド、PHOENIX公認の日本酒という触れ込みなんだとか。

音楽シーンに疎い私は全く聞いたことがありませんでしたが、今年(2017年)のサマソニにも出演するぐらい有名なバンドなんですね。

メンバーのクリスチャン・マゼライ氏は以前から日本酒を愛飲されていて、特に楯野川がお気に入り。ライブの打ち上げの際に、楯の川酒造が日本酒を協賛で提供したりと、ご縁があったようです。

楯野川とPHOENIXがコラボするに至った理由は?

日本酒の酒造メーカー楯の川酒造とフランスのロックバンドPHOENIX、意外な接点のある両者。今回なぜコラボに至ったのかというと、ある人物の死去が関係しています。

その人物は、黒田利朗氏。フランスでレストラン経営や日本酒食材店の経営を通じて、日本酒の啓蒙活動を続けられていた方ですね。しかし、惜しくも2017年2月4日にパリの病院で亡くなってしまいました。

PHOENIXのメンバーのクリスチャン・マゼライ氏は黒田氏とも交流されていたそうで、このことから、黒田氏の逝去を偲び、黒田氏による日本酒の啓蒙活動に対する心からの感謝の意を込めて楯の川酒造からPHOENIX公認の日本酒をリリースする運びとなりました。

なお、PHOENIXメンバーの意向により、売上の5%は横浜君嶋屋を通じて赤十字社に寄付されるとのことです。

今回のコラボで誕生した『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX』。気になる販売店ですが、国内では、有力地酒酒販店として知られる君嶋屋での限定販売となっており、銀座店・恵比寿店・横浜本店の3店舗、または君嶋屋オンラインショップでしか購入することができません。

「なんで君嶋屋でしか売ってないんだろう?」と一瞬首を傾げましたが、そういえば君嶋屋の社長さんは自らもバンドを結成するぐらい熱狂的なロックファンでしたね(笑)
しかもフランスには本業でたびたび訪れるでしょうから、ひょっとしたらPHOENIXとも面識があるのかもしれません。そう考えると今回のコラボが君嶋屋でのみ販売されるというのも腹に落ちますね。

『楯野川 純米大吟醸 PHOENIX』香味良好で大吟醸らしい繊細なタッチ。日本酒の本領ってこういうことだよなぁって思わせてくれる上質なお酒でした。

裏ラベルを見てみましょう。f:id:sakearchive:20170629163049j:image

原料米は庄内産の出羽燦々。精米歩合は50%f:id:sakearchive:20170629163059j:image

日本酒「楯野川」は、よりよい酒質を目指すために、香気成分を多く残すような製造法方を導入しております。香気成分と共に発行由来の炭酸ガスがお酒の中に残存し、温度変化や振動によって瓶の内圧が上昇することで、中栓が飛ぶ場合がございます。

とのことです。

さぁいただきましょう。黒田氏を偲んで、献杯。

グラスに口を近づけると、バナナや花のような香り。大吟醸のカテゴリーとしては大人しめ、優しい繊細な酒質を連想させてくれますね~。以前飲んだ『たてにゃん』もこんな感じの香りだったなぁ。

口に含むと、ほんのりとパイナップルやレモングラスのような含み香。良好な香味とともに柔らかいタッチでするすると飲めますね。酸味によるメリハリは少ないものの、よく玩味すると一本筋の通ったような芯の強さも感じられます。

万人に優しく微笑むアルカイク・スマイルな世界観。気取らない上質さの中に一瞬垣間見せる香りの煌めき。

ワインを「動」とすれば日本酒は「静」、天にも昇るようなハッとさせられる高級ワインもいいんですけど、心にそっと染み入るような味わいの日本酒もまた素晴らしいわけですよ…!「日本にはこんな酒があるんだぜ」と、フランス人にも自慢したくなる、誇らしい気持ちにさせてくれる上質なお酒でした。

それではまた。

2019年には『SAKE100』の『百光 -byakko-』をいただきました!こちらも楯の川酒造で造られたお酒です。詳しくはコチラ↓

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