こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『志木葉 懐石よしひと』にお邪魔しました。
JR石川町駅から徒歩3分。リセンヌ小路の裏手は狭いスペースに民家が密集しておりまして、その辺りにある懐石料理のお店です。
遠目で見ると普通の住宅なんですよ。古い民家(いわゆる古民家ではない)をリノベーションしたのでしょう。一軒家にしてもかなり手狭な空間ですが、家族・友人のような気心の知れた間柄での会食なら全然アリですね。
今回は1人12000円のコースを注文しました。ちなみに下と上には8000円、16000円のコースがあります。初めてのお店だと真ん中のコースを頼みたくなる典型的な日本人気質な私です。
先付は雲丹と茄子の銀餡掛けと車海老の酒盗がけ。
1皿目から飲ます気満々ですな～。車海老と酒盗の組み合わせはあまりピンと来ませんでしたが、雲丹と茄子は鉄板ですよね。
全体的に懐石の本道ど真ん中というよりはちょっと崩したスタイルなので、ちょっといい居酒屋～割烹の延長という心持ちで臨むとちょうどいい気がします。
一杯目にビールを飲んでからすぐさま日本酒に移行します。
夏らしい涼しげなプレゼンテーションが嬉しいですね。日本酒は獺祭や花邑、いづみ橋、山法師、車坂などバランスのいいラインナップ。そこはかとなく新山下の港屋上原酒店の息吹を感じます。しかも1合900円～1500円程度とかなり良心的な価格ですから酒飲みには有りがたいお店です。もうちょっと色気出してもいいのにね。
椀物はトマトの摺り流し。またずいぶん思いきった食材のチョイスですね。
トマトの軽快な酸味と出汁の調和がいいですね。お麩のようなものは海老しんじょう。じゅんさいや鹿立を浮かべて夏らしい装いです。
おそらく本来なら椀物は鱧のお吸い物だったようですが、連れが鱧NGと伝えてあったので替えてくださったのだと思います。
続いてはお造り。炙った蛸とカンパチ、本マグロの赤身です。
お造りは無難オブ無難な味わい。先の2品と比べるとインパクトが薄いかなー。畜養っぽい本マグロはけっこう良かったです。コースの価格的にはこの辺がギリギリ出せるレベルなんだろうねー。
焼き八寸は鰈の西京焼きを中心に、バイ貝やとうもろこしなど旬の食材を起用します。紫陽花のあしらいが可愛い。
西京焼きはふっくらと焼き上げて実に手堅いお味です。酢取り茗荷が妙に美味かった。
蒸物はベーコンとしらすの茶碗蒸し。えー！ベーコンいれちゃうの？(笑)
生姜が効いた。一般的な茶碗蒸しよりアタリがやや強めですが、次の肉料理に繋がる一品と考えればまぁ納得。コンソメのフラン的な1品。
メイン的な皿は黒毛和牛のステーキ。
肉質は柔らかく芳醇。肉汁滴るいい焼き加減です。黒い粒々はバルサミコ酢をタピオカ状に固めたものでこれがいいアクセントでした。
酢の物は徳島県産の岩牡蠣です。
写真で見るより実物はもっと大ぶり。考えてみれば今年初の岩牡蠣だ。コロナ渦では旬の食材を楽しめる機会がめっきり減ってしまいました。
食事は伊勢海老の炊き込みご飯。何？この予想だにしない展開は(笑)
伊勢海老を炊き込みご飯にしちゃうの！？すげー豪快だな。ぶっちゃえ食べてしまえば伊勢海老感は皆無ですが、炊き込みご飯としてはかなり上等なクオリティーだと思います。
水菓子は特筆することはなく、見た目通りのお味でした。
おわりに
そんなわけで今回お邪魔した『志木葉 懐石よしひと』、コロナ渦によるまん防発令中だったため滞在時間が90分以内という制限付きでしたが、十分に堪能できました。
「どこの飲食店もそうだけどなぁなぁでやっているんじゃないのー？」なんて思いながら予約しましたが、本当にきっちり90分で完結させる周到なオペレーションでした！当然皿出しのテンポはかなり速くなります。スタッフの方は大変心苦しそうな様子でしたが、真摯な姿勢に私は好感を抱きましたよ。
ひとつ気になったのは高級食材の献立への割り当て方が謎ですよね(笑)この辺は90分縛りの弊害でもあるのでしょう。時間の制約さえなければメニュー構成も自由度を増しそうです。
帰りは女性スタッフ総出で三つ指ついてお見送り。正直「大したお金も払ってないのでそこまでしなくていいよー」とこそばゆくも思いますが、悪い気はしないものですね。
とにもかくにもコロナ対策を徹底したお店の姿勢に感銘を受けました。敷居は低いが志は高い。安心して食事が出来る素晴らしいお店です。
それではまた。
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