こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『白龍 DRAGON KISS 酒造りからの手紙』をいただきました。
福井県吉田郡永平寺町の吉田酒造のお酒です。
以前SAKETIMESの記事で取り上げられたこともあり、近年じわじわと知名度を伸ばしている吉田酒造の『白龍』。蔵元の娘さんが杜氏に就任して以来、関東近郊でもちょくちょく見かけるようになりました。
もちろん話題性からくる人気もあるでしょう。しかし、娘さんが蔵に入って以来、酒質がはっきりと向上しているのも事実なんですよね。
全国最年少女性杜氏の看板は新澤醸造(伯楽星、あたごの松)の杜氏さんに譲りましたが、そんな売り文句はもう必要ないのかもしれません。
さて、今回いただく『白龍 DRAGON KISS 酒造りからの手紙』は、神田の酒販店『酒舗 玉兎』のプロジェクト『酒造りからの手紙』で実現した飲食店限定の商品です。
『酒造りからの手紙』は、新型コロナウイルスの影響で苦境に立たされている飲食店を応援するべく、通常のお酒よりも飲食店の利幅が大きくなる商品を提供しよう、という趣旨で始まったプロジェクトです。
コロナウイルスの本格的な流行以降、大幅な売上減により閉店する飲食店があとを立ちません。閉店するとまで行かなくても、仕入れや人件費の削減に追われ疲弊している飲食店は多いでしょう。
実際、私がちょくちょく顔を出す飲食店でも「お客さんが減ったからやむなく日本酒の種類を減らした」「お客さんが入らない分、以前より原価をかけにくくなった」という声をちらほら聞きます…。
特に日本酒は、居酒屋の定番商品であるサワーやハイボールと比べると、1杯あたりの原価が高く飲食店が利益を確保しにくいアイテムです。構造的に飲食店に負担がかかりやすいのは日本酒好きとしては認めたくない事実ですけどねー…。
飲食店受難の時代を乗り切るべく、酒屋さんや酒蔵さんが利益を抑えて飲食店限定の商品を提供するムーブメントには大いに賛同するばかりです。「はたして痛み分けをすることが飲食店、酒販店、酒造メーカーの3者にとって一番ベストな選択なのか?」と疑問を持つ方もいらっしゃると思いますが、現状ではベターをたくさん積み重ねることが一番大事なんじゃないかなって思うんですよね。
『白龍 DRAGON KISS 酒造りからの手紙』限定バージョンも抜かりのない完成度の高さ。機会があれば通常のスパークリングタイプと飲み比べしてみたいですね!
『白龍 DRAGON KISS 酒造りからの手紙』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 山田錦(等外米) |
精米歩合 | 60% |
日本酒度 | -8.7 |
酸度 | 1.5 |
アルコール分 | 14.5度 |
前置きがだいぶ長くなりましたが、今回の『DRAGON KISS』は通常バージョンのスパークリングタイプとは違い、炭酸を充填する前の原酒の状態でリリースされています。
元々、スパークリング日本酒として設計されているから日本酒度もマイナスと低めの数値なんでしょうね!
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、メロンやバナナの果実香に麹の優しい香り。オーソドックスでクセのない吟醸酒?間口の広そうな味わいを連想させます。
口に含むと、メロンや洋梨のような香りとともにきめの整ったピュアな甘みが膨らみます。ほーほーほー、やはりスペック通り甘口。派手さはなく、素直で屈託のない甘さが好印象、私は結構好きですね。
決して尖らず、ヴェールを纏うような一定の優しい甘みをキープ。遅れてやってくる小振りでちょっぴりベリー感のある酸味が良いアクセントになり、凛とした印象を持たせます。
もちろん通常バージョンのスパークリングも良い酒であることは間違いないのですが、今回の原酒バージョンをいただくと「ここからわざわざ炭酸入れるの?」って思うぐらい完成されていることに驚きましたね!
余談ですが、この『DRAGON KISS』を飲み終えた直後に『仙禽』のオーガニックナチュール貴醸酒を飲んだら、繋がりがあまりに良すぎてびっくりしました(笑)自然と甘さが重なるような…いい体験をさせてもらいましたね。
東京都内の飲食店の方はぜひぜひ導入のご検討を!日本酒の専門店なら、レギュラー商品のスパークリングと今回の特別バージョンの原酒をセットで仕入れて、2種飲み比べで提供してみると面白いかもしれません。
飲食店が大好きな私としても、またどこかのお店で見かけた際は積極的にいただくことにいたします。
それではまた。
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