しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

島根県『王祿 八○ 純米 無ろ過 生原酒 27BY』低精米とは思えないエレガンスと複雑さの中にある軽さ、心に響く何かがここにはきっとあるはずだ。

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こんにちは、しーたかです。

今回は全国の日本酒ファンから一目置かれているお酒のご紹介。

それがコチラ『王祿 八○ 純米 無ろ過 生原酒 27BY』です。f:id:sakearchive:20170828125238j:image
島根県松江市にある王祿酒造のお酒です。『王祿』といえば、洗練された味わいと、芯のある太い飲みごたえ、そんな一見相反しそうに見える要素を高い次元で兼ね備える銘柄。

ストイックな酒造りへの姿勢、徹底した品質管理、『王祿』が消費者の手に届くまでの過程、そのひとつひとつに妥協を許さない王祿酒造のスタイルには男の美学のようなものを感じます。 

そんな王祿酒造、最近ではdancyuの2015年3月号の巻頭で特集されていたり、

ちょっと前では山同敦子氏の著作『愛と情熱の日本酒』にもエピソードが掲載されていました。

ただただ味に一途。信念はブレず、常に最良なやり方を模索する。カッコいいですね。寿司屋の大将的な魅力とでも言えばいいのでしょうか?

「人を優しくする酒を造る者は、自分に厳しくなければならない」なんて台詞、そうそう言えない。いかに手抜きをしてそこそこの酒を楽に造るかを考え続けてきた以前の杜氏制度の下にいた人間じゃ絶対に吐けない台詞だ。だから『王祿』はいつもリアルに心に迫ってくるんだ。

『王祿 八○ 純米 無ろ過 生原酒 27BY』今回は君嶋屋銀座店で試飲させていただきました。

今回いただいた『王祿』は八割磨き純米無ろ過生原酒。それも1年超の熟成を経た、いわゆる生熟のお酒です。

スペック的にはかなり濃そうな予感がしますね!

原料米 東出雲町産山田錦100%
精米歩合 80%
アルコール分 17.5%
日本酒度 +5.3
酸度 2.2

 

さて、飲んでみましょう!

香りは生熟成からくるナッツの風味、といってもかなり軽めですね。ヒネそうでギリギリヒネてないのは良好な保存状態の賜物かも?そこにハーブのようなフレーバーが絡み付いてくるもんだから、なかなかに複雑な香りです。

口に含むと、芯のある甘さと旨みが、丸みを帯びながら舌の上に転がり込みます。想像していたより明るい陽のテイストですね。途中からレモングラスのようなハーブ系の含み香とともに、酸と苦味ががっちりと甘みと旨みを受け止めてくれます。

濃密な味というほどではありませんが、凝縮感があります。低精白の無ろ過生原酒なだけあって、味はわりと厚みがあるのにクドさはなく、むしろ部分的には「あれ、軽い?」とさえ思わせる造りのよさを感じますね。

というわけで、『王祿 八○ 純米 無ろ過 生原酒 27BY』複雑な風味、厚みのある味わい、それでいて軽さも感じさせるエレガントなフィニッシュ、どれを取っても一級品のお酒でした!

私にとって『王祿』という銘柄は、家の近所の酒屋で売っていることもあり、その気になればいつでも購入出来るという環境にあるためか「また今度買えばいっか」と、手に届きやすいが故にあまり購入しないという存在でした。

しかし今回飲んで痛感しましたが、やはり無視できませんね、この旨さは。今後はもう少し飲む機会、購入する頻度を上げていかなければ、そう思わせる凄みがありましたよ。

ちなみにこの『王祿』 わたしの日本酒ブログ仲間である神奈川建一さんがまったく同じ商品をレビューしています!こちらも要チェックですよー!『王祿』フリークの熱量、ハンパないっす(^-^)

www.osakemirai.com

それではまた。

島根県の日本酒といえば『開春』もなかなかの飲みごたえがあります。詳しくはこちら↓ 

sakearchive.hatenablog.jp