こんにちは、しーたかです。
日本酒ファンなら一家に一冊!とでも言うべき必携の書。
去る2017年7月20日、文一総合出版からファン待望(?)の『酒米ハンドブック 改訂版』の発売が開始されました!
これです、これ。
どんな本なのかといいますと、ネーミングの通り、日本酒造りに使われるお米の品種150種類が網羅的に掲載されているというものです。
お米の拡大写真や系譜図、生産地、特徴などが一目でわかるようになっています。
わりとマニアックな本ではありますが、ポケットサイズで手軽に読めること、またその網羅性から、2011年の初版以来、日本酒業界関係者から一般の愛好家まで広く親しまれています。
『酒米ハンドブック』2017年の改訂版はどこが変わった?
2011年の出版以来、約6年ぶりのアップデートとなった『酒米ハンドブック』。
改定後に大幅な変更があったのは、レイアウトと掲載品種の追加です。
レイアウトは、正直個人的にはどうでもいい、というか最低限読みやすければオッケーというスタンスなので、ここは特に強調することはありません。
日本酒ファン的に重要なのは、レイアウトよりも掲載品種の追加の方ですよ!
初版の出版からこの6年。酒米の生産状況は日々変化を続けており、その動向を知ることなしには今の日本酒シーンを知ることは出来ません。
読者の要望に応えるように、今回の改訂版では、新しく品種登録された14品種と、長らく生産が途絶えていたものの、近年になってその特性を理解され、再び栽培されるようになった、いわゆる復活米が追加で掲載されています。
メジャーどころでは、岩手県オリジナルの結の香や、北海道のきたしずく、神奈川県の泉橋酒造が準主力品種として使用している楽風舞といった酒米が追加で収録されました!
こう見ると、この数年で新たな酒米がどんどん開発されているんだなぁというのが実感としてよくわかります。
酒米ハンドブック、個人的に気に入ってる点。
『酒米ハンドブック』には初版からお世話になっていまして、個人的に気に入っている理由としては
- 網羅性
- ポケットサイズで手に取りやすい
- あいうえお順なので探しやすい
- 簡にして要を得た説明。気になる酒米を30秒でサクッと調べられる
- 欄外コラムに愛がある
と、この辺りでしょうか。気になる酒米があったときにパッと調べられるのが最高!
手元にあれば、インターネットで検索するより早いです。
電光石火で必要な情報に辿りつけるというのは、私のような日本酒ブロガーには非常にありがたい限り(笑)
また『酒米ハンドブック』で地味に好評なのは、欄外コラムなんじゃないでしょうか?
メインとなる酒米の説明、紹介文は辞書的で淡々としている反面、ページの余白に時折挟まれる1~2行のコラム、私はそこに日本酒への愛を確かに感じましたよ!
そう、神は細部に宿る。
そういえば私の大学時代、ゼミの教授が「(論文への)愛は注釈に込めろ」なんて言ってたなぁと、ふと思い出しました。
卒業してから何年も経って、文章への愛とはこういうことなのかってやっとわかったよ、先生。
おわりに
というわけで今回紹介した『酒米ハンドブック 改訂版』、かなりマニアックな本なのにとっつきやすさを感じるのは、単にポケットサイズで手軽に読めるというだけではなく、ひとえに著者・福島顕子氏の酒米への愛ゆえなんでしょうね。
まだ、購入していない方は早めに入手しておいた方がいいですよー!こういう本はいつ買えなくなるかわからないですからね!
日本酒関係の書籍は、良書と呼べるものが極端に少ない(ワイン関係の書籍と比べると顕著じゃないですか?)ので、酒米ハンドブックのようにクオリティの高い本がどんどん世に出てくるといいなぁと思う次第です。
それではまた
自ら田んぼで育てた酒米でお酒を醸す。硬派な酒蔵が神奈川県にはあります。泉橋酒造の蔵見学レポートはこちら