こんにちは、しーたかです。
本日は長野県・小布施町(おぶせまち)のお酒のご紹介!と、その前にちょっぴり小布施という町の紹介もしておきましょう。
小布施は人口10000人と長野で一番小さい町ですが、葛飾北斎が晩年を過ごした地として知られていること、また歴史を感じさせる町並みから観光名所として人気が高く、個人的にも非常に気になっているエリアです。
小布施の町と日本酒に興味がある方は、日経ビジネス人文庫の『セーラが町にやってきた』を是非読んでみるといいですよ。
舞台は、小布施町にある枡一市村酒造場という酒蔵。廃業寸前にあった同蔵を、アメリカからやってきたセーラが建て直していくという実話なのですが、サラリーマン金太郎的なセーラの破天荒さにページをめくる手が止まらなくなります。
『スクウェア・ワン』のスマッシュヒットから酒蔵の再建、果てには小布施の町作りにまで首を突っ込んでいくセーラの行動力と胆力に脱帽です。
超・超脱線しましたが、そろそろ本題に入ります。こちらが本日のお酒『豊賀(とよか) 純米吟醸 直汲み無ろ過生原酒 28BY』です。
先ほど紹介した小布施町にある高沢酒造のお酒です。地元向けの『米川』を主力に、『豊賀』というブランドは首都圏向けにごく少量のみ製造されています。同じ長野県には『豊香(ほうか)』という銘柄もあるので紛らわしいと言えば紛らわしいのですけど、どちらのお酒も美味しいので文句はつけられません。
酒造りを担当しているのは蔵元の娘さんとその旦那さんで、『豊賀』の銘柄は天女伝説で知られる豊宇賀能売命(とようかのめのみこと)と、蔵元の娘さんの名前から一文字ずつ取って命名されたとのことでです。
『豊賀(とよか) 純米吟醸 直汲み無ろ過生原酒 28BY』まさに天女のような優美な味わいからガツンとくるアルコール感、こういう酒私けっこう好きです。
裏ラベルを見てみましょう。
アルコール度数は17度と原酒にしてはやや低めですが、裏ラベルによるとしぼったままの無調整生原酒とのことです。『無調整』と『原酒』というと『頭痛が痛い』のように二重表現のように受けとれますが、これは間違いというわけではありません。
というのも現状、ごくごく少量の加水したお酒であっても『原酒』と表記していいことになっている(!)ので、『原酒』=『無調整の酒』であるとは限らないんですよね。消費者側からすると非常に紛らわしいのでやめてほしいと思うんですけどね…。
表記ルール上での『原酒』と区別するための『無調整』という枕詞は酒蔵さんにとっては便利なようで、有名なところだと新潟県の高千代酒造もちょくちょく使ってますね。
スペックは以下の通り。
原材料名 | 米(国産)米麹(国産米) |
使用米 | 美山錦100% |
精米歩合 | 59% |
日本酒度 | +5 |
酸度 | 1.9 |
アルコール分 | 17% |
使用酵母 | 長野C酵母 |
さて飲んでみましょう!
グラスに口を近づけるとバナナやマスカット、うっすらとレモンのような香り。軽めですが、造りの丁寧さを感じるような優美な香りです。
口に含むと、桃やマスカットのような果実系の甘みが口いっぱいに広がります。ハッとさせられうような官能的な香りに身を任せると、やがてクリーム様のまろやかな甘さに変わっていきます。
直汲みにしてはガス感がやや弱いかな?というところですが、新酒のしぼりたてのシーズンから半年ほど経っているためか、やや丸みのある味わいを感じられていいですね!
飲み下した後も、独特の甘旨みが酸味とともに舌の上で螺旋を描くようにうねりをあげてゆっくりとフェードアウトしていきます。
後味は原酒らしいアルコール感がギリギリと喉奥を刺激するようで、この辺は好みが別れそうですかね。個人的にはこれぐらいのパンチがあった方が「酒飲んでる感」があってわりと好みです。
というわけで今回いただいた『豊賀(とよか) 純米吟醸 直汲み無ろ過生原酒 28BY』優美な甘みと飲みごたえを両立させた上質なお酒でした。今度は中汲みバージョンも飲んでみたいかも。
それではまた。
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