こんにちは、しーたかです。
本日は石川県能登の酒蔵のレギュラー商品の紹介をいたします。放っておくと、季節商品ばかりに偏りがちなのでたまには通年商品もやらないと、と思いまして(笑)
そんなわけで今回いただいたのがコチラ『奥能登の白菊 特別純米酒』です。
石川県輪島市の白藤(はくとう)酒造店のお酒です。
「しらふじ」ではなく「はくとう」と読ませる変則型難読蔵です。
ラベルに描かれている菊の花、実は石川県の地図そのものなんだそうです。言われるまで全然気づかなかった…。
白藤酒造店のある輪島はだいたい左上の方ですかね。輪島は狭いエリアの割に、酒蔵さんが5軒ほど密集しておりまして、どの酒蔵さんも個性豊かなお酒を造られています。*1
その中でも白藤酒造店は、家族経営ということもあって石数こそ少ないですが、丁寧な造りが伺える上質な味わいで、酒通には非常に評判がいい印象があります。
そんな酒質の良さを裏付けるように、先日ベルギーで開催された「SAKE selection 2018」の純米吟醸部門では『奥能登の白菊 純米吟醸』がプラチナ賞を受賞しました。
出品総数132点の中の上位7銘柄、しかも純米吟醸部門という激戦区での受賞は快挙と言っていいでしょう!
今回いただく『奥能登の白菊 特別純米酒』は受賞酒のスペック違いのお酒です。
今回受賞した純米吟醸も非常に美味しいというのは重々知っているんですけどね。
デイリーで飲むことを考えると、特別純米酒ぐらいの価格帯(1升3000円・税抜)に落ち着くかなーというところです。
ちなみに、先輩日本酒ブロガーのまるめちさんも、同銘柄の新酒をレビューされています。
まるめちさんの記事内にも、純米吟醸にするか、特別純米にするか、価格面で非常に葛藤されているような記述が見受けられました(笑)
個人的にもコストを甘受出来るのであれば、純米吟醸の方がより「らしさ」が感じられるのかなーという気はしています。
『奥能登の白菊 特別純米酒』はケの日に飲む最高の食中酒。四合瓶より一升瓶でじっくり攻めたいそんなお酒です。
『奥能登の白菊 特別純米酒』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 |
五百万石 73% |
精米歩合 | 55% |
アルコール分 | 16度 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、かなり控えめにバニラや藁のような香り。ミントのようなエッセンス、そしてごくごく僅かにセメダインっぽさも感じられます。
口に含むと、柔らい風味、しかし大股で颯爽と歩くように、じんわりと穏やかな旨みが膨らみます。
若干ながらフレッシュさも感じますね。きっと火入れもいい仕事をされているんでしょうねー。
舌の上で転がすと甘・旨のバランスが絶妙でひたすら心地いい。軽いでもなく、重いでもなく極上のミディアム感こそ『奥能登の白菊』の真骨頂。
淡くバニラのような香りがふわっと口の中で一瞬膨らむ、その瞬間がたまらなくイイんですよね~。
酸味も柔らかく穏やかに長い余韻を残しながらキレていきます。
というわけで、今回いただいた『奥能登の白菊 特別純米酒』、柔らかく穏やかなタッチがクセになる超上質な日常酒でした。
特に『萩の鶴』や『乾坤一』あたりがお好きな方なら自信を持ってオススメできます。
味の方向性こそ違いますが「日常に寄り添う食中酒」という同じ価値観を抱いているには間違いありません。
味としては地味ですけどね、知れば知るほどに凄みがわかるいい酒です。
易きに流れない丁寧な造りの『奥能登の白菊』が海外でも高く評価されているのは、日本の食文化・酒文化の価値観を肯定されたようで、なぜか自分のことのように誇らしいですね。
それではまた。
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*1:私の記憶が確かなら、そのうち1軒は自社醸造を辞めてしまっていたかも?詳しい方いらっしゃたら教えてください。