こんにちは、しーたかです。
今回は「これぞ真の地酒」という一本を紹介します。
石川県・能登の日本酒『能登島 純米』です。
ひょっとしたら「初めて聞く銘柄だなぁ」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
それもそのはず、この『能登島』は2017年1月に初めて造られたお酒なんですよー。石川地酒ファンのしーたかも初めて飲む酒です。
『能登島』誕生のキッカケは、耕作放棄地を減らそうという運動から。能登島での酒米の栽培は約20年ぶり!
2017年に初リリースされた『能登島』はその名のとおり、石川県の能登半島の東部にある能登島で栽培された酒米(五百万石)で造られました。
能登島は、能登半島の七尾湾にぷかりと浮かぶ離島です。
能登島は昔から、漁業の他に農業も盛んな地域でしたが、近年は人口の流出や農家の高齢化もあって、いわゆる耕作放棄地が増えてしまったそうです。
そこで、耕作放棄地を減らし、能登島の魅力をアピールするべく能登島の酒プロジェクトがスタートします。
このプロジェクトは、能登島観光協会青年部と地元農家が、能登島では約20年ぶりとなる酒米の生産にあたり、『竹葉』の銘柄で有名な、能登町の数馬酒造に日本酒の製造を委託し、能登島を中心に販売するというものです。
この辺の記述は、離島経済新聞の記事が詳しいので、気になる方は読んでみるといいですよー。
記事によると『島流しツアー』と題した、都市在住者向けの農業体験ツアーも行ったりしているそうです(笑)これ、面白いですね。
島内の農家らが集まる観光協会青年部は、島の交流人口を増やそうと、かつて島が流刑地だったことに着目し、2014年から都市在住者を対象とした「島流しツアー」を企画。「流人」になった設定で島を訪れる参加者に、「刑」に見立てた田植えや稲刈りなどを体験してもらった。ツアーは好評で、リピーターとなった参加者の中からは移住者も誕生した。2015年には、耕作放棄地を再生させて農業体験施設「島流し農園」を開設。「流人」たちとともにコシヒカリを生産した
と、このように能登島内外の様々な人の協力があって『能登島 純米』が出来上がったというわけです。これは、お酒が出来上がったとき、関係者の方々はさぞかし嬉しかったことでしょう。
『能登島 純米』米の味を引き出しつつも、スーッと切れる後味、ウマイ!
説明も長くなってしまいましたので、そろそろ飲んでみましょう。
ちなみにこちらが裏ラベルです。
「能登島を愛する思いが生んだ酒」とのことです。
原料はもちろん能登島産の五百万石の70%精米。アルコール度数は少し高めの17度で勝負。
香りは、かなり控えめにバナナやメロンのようなニュアンスを感じます。香りだけではわかりませんが、なんとなくドライな酒なのかなーという予想。
口に含むと、やはりバナナのような含み香とともに、やや太めの旨みがうねるように飛び込んできます。
厚めのボディのわりにはソフトに柔らかく舌に乗ってくるので、飲みにくいということはないですね。麹っぽい甘みとほんの少しスモーキーなテイストがいいアクセントで面白いなぁ。
後半は、じわじわと酸と苦味が効いて、スーッと巧く切れていきます。
この後味のためなのか、酒を一口飲む毎にヨダレが出てきます(笑)個人的に、飲んでいて自然とヨダレが出てくる酒は、いい食中酒なのかなと思っているのですが、さぁどうでしょうか。
この酒にはやっぱり、地の味で合わせたいですね~。能登の郷土料理の鱈の子付け(鱈の昆布締めに煎った鱈の子をまぶしたもの)やいしる(漁醤)で作る鍋料理なんか食べたくなります。
おわりに
『能登島 純米』能登島の方の愛が詰まった素晴らしいお酒でした!
酒米の生産を再開して初めての年とは思えないクオリティの高さでしたね~。質もいいし、やっぱりちゃんと能登の地の味がするんですよね。
こんなことを書いていると「お前にそんな地の味なんてわかるのかよ」なんて言われてしまいそうですが、この酒から能登のニュアンスを感じなかったらただの味オンチですよ!(笑)
気になる方はとりあえず飲んでみてほしいところですが、『能登島 純米』の今回の生産は1升瓶で1000本のみとのことで、なかなかありつけないかもしれません。今回出回ってる分で遭遇できなかったらまた来年…ですね。
ちなみに、来年まで待てないよーという方は『能登島』と同じ酒蔵・数馬酒造さんの看板商品『竹葉 能登純米』を飲んでみてはいかがでしょうか。
世界的な食の祭典として知られるマドリッド・ヒュージョンでも絶賛された一本は、優しい甘みでスッキリ飲めるハイレベルな銘酒です。「能登はやさしや、酒までも」ですね!
それではまた!
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