しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

石川県『五凛 生酛 純米吟醸』柔和なニュアンスのクラシック系生酛。和食に寄り添う柔らかい旨味は常温や燗で楽しみたい…!

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こんにちは、しーたかです。

今回は『五凛 生酛 純米吟醸』をいただきましたf:id:sakearchive:20191106152731j:image石川県白山市の車多酒造のお酒です。

山廃仕込みで有名な『天狗舞』の別ブランド『五凛』。個人的には料理の味を引き立たせてくれる助演男優賞的なお酒だなぁという印象がありますね。

銘柄の由来は「消費者、飲食店、酒販店、蔵元、杜氏の五者が常に凛とした関係で、お酒を楽しめるように」とのことだそうです。

私が仲のいい酒屋さんに聞いた話では『五凛(ごりん)』というネーミング故か、オリンピックが開催される年にはバカ売れするとかしないとか?ホントかよそれ(笑)

 

さて、今回いただく『五凛 生酛 純米吟醸』は、車多酒造では珍しい生酛造りのお酒ですね。

流行り、というとちょっと語弊があると思うんですけど、ここ数年は生酛造りにチャレンジする酒蔵さんがどんどん増えています。空前の生酛ムーブメント(?)が起きていることは間違いありません。

でも、まさか山廃造りのトップランナーである車多酒造まで乗り出してくるとは想像できませんでしたね~。

たしかに近年の車多酒造は、社内の風向きが変わったように思われます。

ラベルがややおしゃれになったり、スパークリング清酒の『TEN mousseux』のリリースなど意欲的に時代のニーズを取り入れようとする動きが見られます。

最近の『久保田』もそうですけど、元々持っているトラディショナルなイメージは残しつつ、現代の日本酒シーンに合わせてチューニングしていく姿勢はすごくいいなと思うんですよね。「変わらないために変わっていく」といいますか。

特に車多酒造のスタイルと生酛造りは親和性が高いと思います!

車多酒造では生酛造りは2017年にスタートしたばかりですので、今後の展開も非常に楽しみであります。

『五凛 生酛 純米吟醸』旨い…まるでこたつで家族団欒しているようなヌクヌク感!こういう酒が飲みたかったんです、私。

『五凛 生酛 純米吟醸』の裏ラベルはこちらf:id:sakearchive:20191106152743j:image
スペック表も貼っておきます。

原材料 米(国産)、米麹(国産米)
原料米 山田錦 100%
精米歩合 50%
アルコール分 16度

それではいただいてみましょう。今回は常温でいただきます。

グラスに口を近づけると、バナナや炊きたての米、少しミルキーな乳酸ライクな香りにツンとしたアルコール、そしてやや柑橘を思わせるニュアンスを感じます。

複雑、というほど気むずかしい印象はありません。あくまで朗らかな香りがベースにあり、その中で色んな要素が絡みあっているイメージですかねー。明らかに燗でうまそうな香りです。

口に含むと、うっすらバニラやバナナのような香りとともに、クリームを連想させるなめらかで丸い旨みが膨らみます。

ボディの厚みもあるがマイルドでキレも緩やか。飲み心地がよいですね。柔らかく調和のとれた旨みを身上とする五凛の世界観を堅持しています。ていうか思っていたよりウマい(笑)

緻密な味わいではないんですけど、それが逆にいいというか、独特のおおらかさがあってデイリーで飲むのにはこういう酒は最高ですよね。

ゆったりした味の流れからの、ぬるりとキレていく感じも非常にいい。あぁこのホッとする味わいは、まるで田舎の実家にあるこたつそのものだ。時計を気にせずだらだらと。家族団欒のひとときに飲みたいお酒でした。

そんなわけで今回いただいた『五凛 生酛 純米吟醸』、柔和で朗らかな味わいを楽しめる日常系旨口酒でした。

実は開栓したてはややぎこちない味わいだったんです。でも1週間ほど置いてみたところ、かなり良くなりましたね。やはりこの手の酒は開栓して少し空気に触れてからが本領を発揮するものなんでしょう。

合わせる料理は、出汁との相性が良いのでおでんや鍋と合わせたいところです。金沢の郷土料理の治部煮もいいですよね。

あとは、ブリの刺身、マグロもイケるんじゃないかな?マグロの独特の酸味には意外と悪くないんじゃないかと予想しています。

それではまた。

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