こんにちは、しーたかです。
先日開催された『日本酒フェア 2017』の熱狂から、早一ヶ月。飽くなき日本酒イベントへの渇望感を押さえきれず、またいそいそと都内へ向かいます。
というわけで、今回やってきたのは『岐阜の地酒に酔う 2017 in 東京』。
岐阜県酒造組合連合会が主催する日本酒のテイスティングイベントですね。
毎年夏の時期に、東京・大阪・岐阜の3会場で行われるこのイベントでは、岐阜県内の約30の酒蔵が集まって自慢の酒を振る舞ってくださいます。
東京会場は毎年お馴染みの如水会館。私自身、このイベントに参加するのは2015年から数えて3回目ですが、毎年来場者が増えているような印象を受けます。
昨年までの混雑ぶりを踏まえてか、今年度から開催時間が2部制になったのは重要な変更点でしょうか。
酒類業界関係者向けの第1部と一般消費者向けの第2部でセパレートされたため、前年より多少ブースを回りやすくなりましたね。
なお、こちらのイベントではビュッフェ形式の料理も用意されるのですが、食べ放題というわけではなく、量に限りがあるのがやや難点。タイミングを誤ると料理をまったく食べられない方もいるんじゃないかな?
料理が出るやいなや繰り広げられる料理の争奪戦は、初めて参加する方はおそらく面食らうことでしょう…(笑)
今年も司会進行は白川郷の蔵の方が担当。「岐阜の地酒にYO!!!!!!(酔う)」ってなノリの熱いマイクパフォーマンスで会場を盛り上げます。
その脇を固める着物の美女は2017年のミス日本酒関係の方ですね。お酒のテイスティングでは「文武両道な感じのお酒ですね」といった珍コメントを残し、会場の笑いを誘います(笑)
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岐阜の日本酒、今年もたくさん飲みました!さすがに全部は紹介できませんが、印象に残ったブースをいくつか紹介していきます!
乾杯のお酒をいただきましょう!まずは『白雪姫 吟醸』でスタート!
『白雪姫』は大垣市の渡辺酒造醸さんのお酒ですね。
地元の農家さんが農薬・化学肥料を節減して栽培したハツシモというお米で作られたお酒は、どこかたおやかな味わい。
ブースに立っていたのは、渡辺愛佐子さんという女性の方で、岐阜県唯一の女性杜氏の方なんだとか。自身の名前から取った『あさちゃんのどぶろく』というお酒もありましたが、飲み損ねてしまいました。
続いては『一滴千山』ブース。こちらで目を引かれたのは甘口の『TAKE』シリーズ!まずは『一滴千山 TAKE 1』をいただきます。
ラベルには「ちょっぴり甘くてSWEETな日本酒」なんて書いてありますけど、ちょっぴりどころか結構甘いです。しかし、ベタっとしたくどい甘さではなく、後ギレがいいのでなかなか飲みやすいです。
こちらは『一滴千山 TAKE 3』。瓶内二次発酵で造られたスパークリングタイプの日本酒です。
なんとなくZIMAっぽいボトルですが、中身はちゃんと日本酒。
麹由来の甘みと繊細な泡立ちが印象的ですね~。わかりやすく言うとスーパーやコンビニでおなじみの『澪(みお)』をふたまわりぐらい美味しくしたような感じでしょうか。…これじゃ全然参考になりませんねw
これがスーパーで気軽に買えたら最高ですね~!300ml詰で630円(税別)とリーズナブルなこともあり、もっともっと流通量が増えるといいなぁと思ってしまいます。
続いてこちらは『千代菊』『光琳』ブース
こちらでは『光琳 純米吟醸 無濾過生原酒』の雄町バージョンと美郷錦バージョンをいただきました。昨年からラベルデザインが変わりましたが、中身は変わらず、ちょい甘ジューシー系路線で今年も売れセン間違いなしってとこでしょうか。
他にも気になるお酒はたくさんありますが、あまり焦ってはいけません。ここらで給水タイムというわけで、仕込み水コーナーでしばし休憩。
日本酒イベントの多くではお酒だけでなく、酒蔵の仕込み水も用意されているのが嬉しいですね。飲み比べると、モノによっては水質の違いがはっきりわかるのが面白いところ。自分の好きな酒蔵の水は、よく舌になじむような気がします。
続いてこちらは『若手の夜明け』でおなじみの『津島屋』ブースへ
透明感のある味わいと綺麗な酸味を武器に、着々と評価を固めつつある『津島屋』。
東京での人気は上々で、この日も多くの参加者がブースに詰めかけていました。
各地方の有力な酒米を使用している『津島屋』で、特に出来がよかったのは北海道・石狩産の吟風仕込みの純米酒ですね。
涼しげなラベル通りの清涼感あふれる味わいは夏にピッタリ!
吟風は彗星、きたしずくと並ぶ北海道産の良質な酒米として評判が高く、最近は本州の方でも使用する酒蔵が増えていますね。
特に津島屋の酒質と吟風の相性はなかなか良さそうなので、来年度以降もリリースしてほしいところです。
続いてコチラは、『W(ダブリュー)』ブース。毎度毎度ド派手なギラギラ系のラベルが眩しいッ(笑)
醸造元の渡辺酒造店は『蓬莱』で広く知られる酒蔵ですね。
国内外の鑑評会で数々の受賞歴を誇り、岐阜県の酒蔵の中ではかなりブイブイ言わせてる印象があります。
今回のイベントでは、特約店限定の『W』シリーズのみで参戦!スペックはすべて無濾過生原酒で統一し、山田錦・愛山・亀の尾・穀良都・赤磐雄町といった希少な酒米を惜しげもなく投入しています。
お米の特徴を活かしながら、やや甘めでジューシーな味わいに仕上げており、ラベルも中身も首都圏をかなり意識している印象ですね。
今年は福井県オリジナルの酒米・越の雫にもチャレンジしています。越の雫仕込みのお酒は、花垣や早瀬浦、北の庄など福井県内の銘柄ではちょくちょく散見されますが、福井県外の酒蔵が使用しているのは初めて見ましたね!
越の雫は、山田錦や愛山とはひと味違った風味で、やさしい味わいに仕上がりやすいのが特徴のお米です。福井県の酒蔵だけのものにしておくのはもったいない優良品種だと個人的には感じています。これから少しずつ福井県外でも使われるようになってほしいものですね。
こちらは『鯨波』ブース。
『鯨波』は昨年、こちらのイベントで初めて知った銘柄。
派手さはないですが、穏やかでさらりとした酒質。岐阜の酒らしい奥ゆかしさをたたえた味わいに一目惚れした私は、今年も『鯨波』ブースに戻ってきました。
出品していたお酒は全ていただいたのですが、その中でもとりわけよかったのは『鯨波 夏吟』。さらりとした味わいの中にも味の膨らみが感じられます。
続いては『三千櫻(みちざくら)』ブース
中津川市の三千櫻酒造さんのブースです。こちらは超が付くほど生産量の少ない酒蔵さんですが、面白いアイテムが多いですね。
愛山仕込みの生原酒(瓶内二次発酵)や多酸性酵母を使って低アルコールに仕上げたお酒もあり、首都圏のニーズにきっちりアンサーしている印象です。
こちらのブースではさかずきんちゃんの可愛らしい商品紹介も。日本酒の造り方の紹介が非常にわかりやすい!
続いてこちらは『小佐衛門』ブース。
岐阜県の酒米・ひだほまれを使った純米吟醸のおりがらみをいただきました。
ラベルが、紀土のあがらの~シリーズにちょっと似てますね。『小佐衛門』は東京~神奈川あたりでは比較的よく見かける銘柄、ただしひだほまれ仕込みは初めてみました。
山田錦や雄町、美山錦など他県産の酒米頼りの印象が強い『小佐衛門』ですが、ちゃんと(?)岐阜のお米も使ってるんだなぁと感心しました。
そしてこちらは岐阜県で忘れてはならない『白川郷』ブース。
『白川郷』と言えばにごり酒!今回は『白川郷 炭酸純米 泡にごり酒』をいただきました。肩にかかってる注意書きが細かい…!
瓶内二次発酵のシュワシュワ系ということで、よほど危険なんでしょうね。
飲んでみるとドロドロシュワシュワで問答無用のウマさ!欲を言えば試飲用のおちょこじゃなくて、プラカップでほしかったですね。
おわりに
まだまだ紹介したい酒蔵(銘柄)はありますが、そろそろ力尽きた感があるので、今回はここまでにしようかと思います…笑
これは昨年に参加したときも感じたことではありますが、じつに3時間近く岐阜県の酒を飲み続けたにも関わらず、いわゆる「これはハズレ」だという酒が全くなかったのは特筆すべきことですかね。
どれだけ美味しい酒に巡り会えたかということも重要ですけど、マズイ酒に出くわさないってことも飲む方としては大事な要素だと思うんです。
こういう日本酒のイベントで、飲んだお酒の10~20%がイマイチな酒だったとしたらどうでしょう?「来年もまた来たいか」と言われたら私は首を縦に振らないですよ。地雷を掻い潜りながらウマイ酒だけ飲むのも日本酒マニアらしいと言えばマニアらしいですけどね(笑)
まぁでも、ウマイとわかってる酒だけ飲むのもつまらないですし、せっかくならいろんな酒蔵の酒を飲んでみたいと思うのが、イベントに参加するファンの心理だと思うんですよ。
日本酒のイベントに来て、いろんな酒を飲んで「あぁどのお酒も美味しかったな。また来年も来よう」って気持ちよく帰れるのは本当に幸せなことなんじゃないかって思いますね。
総括すると、変な言い方ですが「安心して冒険出来る」のが岐阜の酒のいいところ。こんなに気持ちよく酔えるイベント、そうそうありませんね!
それではまた。
『岐阜の地酒に酔う 2016』の様子はコチラ↓
2017年はこんな日本酒イベントに行ってきました!