しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

『ソガ・ペール・エ・フィス ・サケ・エロティック』協会1号酵母から協会6号酵母まで飲み比べ!

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こんにちは、しーたかです。

先日、行きつけのお店で、『ソガ・ペール・エ・フィス ・サケ・エロティック』1~6号酵母まで一挙に飲み比べるという機会がありました。f:id:sakearchive:20170331124505j:imageお店の方は私が日本酒好きということを知っているので、珍しいお酒が入ると真っ先に教えてくれます。ありがたやー。

『ソガ・ペール・エ・フィス』は長野の小布施ワイナリーが造る日本酒。そう、ワイナリーが醸造している日本酒です。
小布施ワイナリーはブドウの栽培・育成から醸造まで一貫して自社で行う、いわゆるドメーヌスタイルを採用する本格派。厳寒期はブドウ畑に出られないため、冬の間は趣味の範囲で日本酒を造るという変わったメーカーさんです。

私は小布施ワイナリーさんの造る日本酒がけっこう好きで、先日は『ソガ・ペール・エ・フィス ・サケ・エロティック』の協会6号酵母使用『ヌメロ・シス』をいただきました。

sakearchive.hatenablog.jp

先日いただいた『ヌメロ・シス』に使われている協会6号酵母は、現在頒布されているものの中では最古の酵母。…なのですが、小布施ワイナリーでは、なんと戦前に頒布が中止された協会1~5号酵母を復活させ、使用されているとのこと。なんとロマンのあることか…!

そういうわけで前から気になっていた協会1号~5号酵母シリーズ。しかし、なかなか飲む機会が訪れませんでした。

というのも、何しろ趣味レベルでしか日本酒を造っていないため、流通量が少ないという事情があります。また、「どうせ飲むなら1~6号まで一堂に試してみたい」と考えると、1号~5号のうちのどれかを単体で飲んだところで、シリーズの他の酒と比較が出来ないのであまり意味がないんですよね。

そんな折りに「しーたかさん、ソガ・ペール・エ・フィスの1号から6号まで入荷したんで飲み比べします?」なんて言われたら、そりゃ飲むしかないでしょう!日本酒ファンとしては飛び付かざるを得ない案件でした。 

ここまで読んでいて、「ところで、協会酵母ってなんぞや?」と疑問に思った方は、SAKETIMESさんのこちらの記事が参考になりますのでどうぞ。

jp.sake-times.com

『ソガ・ペール・エ・フィス ・サケ・エロティック』テイスティング大会!

そんなわけでテーブルに6種類のボトルを並べていただきました!f:id:sakearchive:20170331124606j:imageそれも全てのボトルをその場で抜栓。私のためにわざわざ開けてくれたみたいで申し訳なさもありますが、感謝していただきましょう。なお、このテイスティングを実施したのは正午12時。「昼間からコイツ何してるんだ…?」という周囲の視線をよそにおかまいなしで飲み比べます。

まずは協会1号酵母の『Numéro Un(ヌメロ・アン)』から

協会1号酵母は宮水の発見で知られる兵庫県・灘の『櫻正宗』の蔵で分離されたものです。
口に含むとソフトでデリケートな味わい。意図して造っているのかはわかりませんが、今回の飲み比べでは一番ライトに感じました。裏ラベルを見ると「2015年とは打って変わり穏やかな味わいで魅せてくれます」とあります。2015年ヴィンテージはもっとキャッチーな味わいだったのでしょうか?気になりますね~。

協会2号酵母使用の『Deux(ドゥー)』

京都府・伏見の『月桂冠』の新酒から分離された酵母です。
こちらもわりとライトな部類で、酸味が小気味よく気持ちいいですね。

協会3号酵母使用の『Trois(トロワ)』

広島県・三原の『酔心』の新酒から分離された酵母。酒質の優秀さで評価が高かったそうです。
こちらも派手なさはなく、大人しいキャラですが、味の厚みを感じます。ボディ感で言うと6号酵母の『ヌメロ・シス』に近いかな?ごくごくわずかにセメダイン様の香りも◎

4号酵母『Quatre(キャトル)』

協会4号酵母は、どの酒蔵で分離したものかわからない詳細不明のミステリアスな酵母。

香気がよく、醪の経過の良さで評価が高かったそうです。昭和6年頃に菌の変性を理由に頒布が中止。

ボトルの裏ラベルには「こんな酵母が不良と烙印を押された理由は人為的情報操作に他なりません。」と語気を強めたコメントが添えられています。
おっ1号から3号と比べると少し香りが出てきましたね。ボディ感もほどよい感じ。 

5号酵母『Cinq(サァンク)』

協会5号酵母は広島県・西条の『賀茂鶴』の酒母または新酒から分離されました。果実のような芳香が特徴だそうです。
1~6号のなかではミディアム~ややフルボディに近い味わい。ミステリアスな含み香がすばらしい!これはまたリピートしたいですね。

最後は、6号酵母『Numéro Six』

6号酵母はみなさんご存じ『新政』の蔵で分離された酵母。発酵力が強く、穏やかな香りが特徴です。
香りはかなり控えめながら、強靭なボディとスマートな後味。なんだかんだで現在も使用されている酵母だけあってウマさ安定な感じでしょうか?

テイスティング総評

総評すると、1号酵母から6号酵母まで共通して、香りはおとなしめ。生酛造りらしいナチュラルさが楽しめます。その中で酵母による個性の違いも感じられる、といった具合で、現在使われていない酵母だからといって劇的に未知の味がするといったわけではないですね。

個人的に、協会1号酵母の『Numéro Un(ヌメロ・アン)』5号酵母『Cinq(サァンク)』が気に入りました。どうにかして今シーズン中にもう一回飲みますかね。

機会があればぜひ来年も1号~6号で飲み比べしてみたいものです。ヴィンテージが違えば、今回とはまた違った印象を抱くかもしれませんしね。

【追記】後日、無農薬・天然酵母仕込みの『ル・サケ・ナチュレル』をいただきました!よろしければこちらもどうぞ↓

sakearchive.hatenablog.jp

 

それではまた!

『ソガ・ペール・エ・フィス』がお好きな方は千葉県の『香取』もオススメ!ビオ志向でナチュラルな味わいの日本酒です。

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