こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は静岡・英君酒造の秋限定酒『英君 純米吟醸 秋あがり』をいただきました。京都の『英勲』じゃないですよ?静岡の『英君』です。このくだりはもはや定番。
当ブログでも過去に何度も紹介してきた『英君』ですが、どのお酒にも共通して「軽快で飲み飽きしない食中酒」というイメージが強いですね。今回いただく秋あがりも清涼感と、食中酒としてのポテンシャルをしっかり感じる『英君』らしい一本です。
英君 純米吟醸 秋あがり
スペック表も貼っておきます。
| 原材料 | 米(国産)、米こうじ(国産米) |
| 精米歩合 | 60% |
| 日本酒度 | +2 |
| 酸度 | 1.5 |
| アルコール分 | 15度 |
純米吟醸規格で精米歩合は60%、アルコール度数は15%。低温でじっくり寝かせてから出荷されているため、角が取れて丸みを帯びた仕上がりになっています。
価格も720mlで1,800円程度(2025年9月現在)と手に取りやすいのがいいですね。近年の物価高や米価格の高騰の影響下ではかなり頑張って踏みとどまっている方だと思います。
そのうち純米吟醸規格のお酒は4合瓶 3,000円ぐらいが相場になってくるのかな?
いずれにせよ、こんなに安く日本酒が飲めるのは今のうちだけなんでしょうね。
手頃に楽しめるうちにいっぱい飲んでおきたい、肝臓が許す限り。
香り
最初に感じるのは、控えめながらも上品な吟醸香。派手さはないのですが、ほんのりとメロンやバナナのような香りが立ち上り、そこに秋上がりらしい穏やかな熟成香が重なります。
乳酸系の柔らかさやナッツを思わせるニュアンスがほのかに混じり、華やかさよりも落ち着いた印象が前面に。グラスを傾けるたびに、季節の移ろいを感じさせる香りです。
味わい
口に含むとまず感じるのは「スッキリした飲みやすさ」。甘みと酸味のバランスがよく、飲み飽きしない仕上がりになっています。
やはりメロンやバナナ系の繊細な果実味や旨味がじんわり広がり、最後は静岡酵母らしい爽やかな酸でスッと切れていく。冷酒では軽快でクリアな印象が際立ちますが、燗にすると一気に表情が変わります。
ぬる燗程度に温度を上げてやると、酸味がふくらみ、旨味が溶け出すように広がって、まるで別の酒を飲んでいるよう。
まとめ
英君らしい「清らかさ」と、秋上がりらしい「まろやかさ」が見事に両立した酒。派手に主張せず、食卓の中心に静かに寄り添ってくれる一本です。いやー、私はやっぱりこういう酒が好きです。価格も手頃で、普段の晩酌から秋のごちそうまで幅広く活躍してくれます。
冷酒で爽やかに、燗でしっとりと。その二面性をぜひ楽しんでほしい、秋の隠れた名酒だと思います。肴はやはり魚介系が鉄板。きのこを使った煮物や淡い味付けの鍋物とも良さそうです。
それではまた。
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