こんにちは、しーたかです。
しばらく飲食店の紹介の記事が続いていたので、そろそろ本編(酒紹介)も少しずつ再開させていこうと思います。
今回は変わりダネのお酒をいただきました!それがこちら富山県『玉旭 ECHOES(エコーズ) 酒母搾り 純米生原酒』です。
インスタ映えというか、女子ウケしそうなラベルですね。富山市・八尾の玉旭酒造のお酒です。
ご存じの方も多いと思いますが、八尾といえば毎年9月に開催される『風の盆』というお祭りで有名な地域ですね。
編み笠の女性が越中おわら節の旋律に合わせて躍る姿は幽玄的。一度は見物してみたいお祭りです。
そんな情緒あふれる町・八尾に蔵を構える玉旭酒造。生産量は約150石とかなり少ない酒蔵さんではありますが、近年は意欲的な商品のリリースが多く、じわじわと関東圏の市場でも存在感を現し始めています。
自社田で無農薬米の栽培を始めたり、蔵元自ら酵母の採取をしたりと、保守的な蔵が多い印象の富山勢のなかにあってはかなりチャレンジングな酒蔵さんなんじゃないかなーと個人的には思いますね。
今回紹介する『玉旭 ECHOES(エコーズ) 酒母搾り 純米生原酒』もかなり「尖った」商品で、
ネーミングの通り、『酒母(しゅぼ)*1』と言われる酒造りの初期段階で絞ったお酒です。
普通の日本酒は『3段仕込み』と言って、出来上がった酒母に水と蒸し米を3回に分けて投入し、ゆっくりと発酵を進めていくのに対し、この『玉旭 ECHOES』は発酵の中期から後期段階をすっ飛ばして絞ったお酒ということになります。
なかなか思いきったことをやりますね…いったいどんな味になるんででしょうか。
『玉旭 ECHOES(エコーズ) 酒母搾り 純米生原酒』極甘口が際立つ異色の日本酒!チューリップから分離した酵母を使っているそうです。
裏ラベルはコチラ
スペック表も載せておきましょう。酵母は富山県の県花であるチューリップから採取した酵母を使用とのこと。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 富山県産米 |
精米歩合 | 60% |
使用酵母 | チューリップ花酵母 |
アルコール度数 | 12度 |
日本酒度 | -55 |
酸度 | 8.0 |
発酵が進む直前で絞っているからかアルコール度数は12度と低く、日本酒度も-55と、相当な甘口に仕上がっています。
また特筆すべきは酸度8.0 という数字です!普通の日本酒がだいたい1.0~2.0あたりで収まるところを考えると、ほぼ間違いなく超絶酸っぱい味になっているんでしょうねー。
それでは飲んでみましょう!
グラスに口を近づけると、おぉ!なんとなくややライトな穀物酢を連想させるような香りがします。うっすら米由来の甘い香りもしますね。
口に含むと、やや攻撃的なシャープな甘みが舌をえぐるように飛び込んできます。
日本酒を飲んで感じる酸味って後から遅れてやってくるものが多いですが、この『玉旭 ECHOES』では甘みのファーストアタックと「よーいドン」で酸が乗ってきますね。
ヨーグルトのような甘みや酸を感じるや否や、一転して口の中を突き抜けるようなキューンとした酸味がアフターでやってきます。
あぁこれはなかなか強烈だ~。超絶酸っぱい酒で有名な『舞美人』に近いものを感じますね!『玉旭 ECHOES』もなかなかのクセモノだ。
しかし甘みも酸味も強烈なのにも関わらず、全体的にあまりくどい印象を受けないのは低アルコールだからこそなんでしょうねー。ドイツの白ワインにも似た印象です。
万人にウケる酒ではないと思いますが『舞美人』ラバーなら一度は飲んでみるといいかも?これほど酸っぱい酒もなかなかありませんからね。
それではまた。
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*1:麹、蒸し米、水を合わせたものに酵母を加えて培養したもの