こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『扶桑鶴(ふそうづる) 凌雲 純米吟醸』をいただきました。
島根県益田市の桑原酒場のお酒です。
硬派な(?)酒が多い島根県の中でもこだわりの強さを一際感じるのがこの『扶桑鶴』。
フレッシュでみずみずしい口当たりのお酒が幅を利かせるこの時代に逆行するような円熟した太い酒質がたまらないんですよね。
新酒の時期には加熱処理していない生酒も申し訳程度に出荷しているものの、火入れかつ熟成が基本路線の銘柄です。まぁ当然の帰結ですよね。灘の『剣菱』同様「止まった針のままでいる」ことへの美学を強く感じさせます。
今回いただく『扶桑鶴(ふそうづる) 凌雲 純米吟醸』は、純米吟醸クラスのお酒にしては珍しい熟成モノです。
ヴィンテージは2017(平成29)酒造年度、大体2~3年程度は熟成している計算になりますね。それぐらい寝かせてやっと最初の飲み頃ってことでしょ?気の長くなる話ですよねー。
しっかり育てて出荷してくれる酒蔵さんに、酒飲みはただただ感謝するのみです。
『扶桑鶴 凌雲 純米吟醸』逆三角形的な強靭なボディと円熟味の融合。追熟させるポテンシャルも十分で、じっくり楽しみたくなるお酒です。
『扶桑鶴 凌雲 純米吟醸』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 島根県産 佐香錦 100%使用 |
精米歩合 | 55% |
酵母 | 9号系 |
日本酒度 | +4 |
アミノ酸度 | 1.6 |
酸度 | 2.0 |
アルコール分 | 15度 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、メープルシロップや桧のような木香を中心に穏やかな香りが。
口に含むと、カラメルのような熟成感のある香りとともにマイルドな旨みが膨らみます。
これこれ、このボディの幅ですよ!逆三角形的なボディで太めの味わいでいて全然ごつごつした感じがないのがいいですね。このまろやかさは熟成の賜物!冷酒で飲んでもこなれた感じがビンビン伝わってきます。
酸味はやや強く、マイルドな旨みに呼応するようにじわーんと効いてくるようです。自然とよだれが出てくる味ですね(笑)
苦味は柔らかく余韻は長め。後味はもたつかず、まるっとまとめる着地はお見事なものです。
そんなわけで今回いただいた『扶桑鶴 凌雲 純米吟醸』、熟成系の純米酒としてお手本のような味わいで満足度の高い1本でした。
家で時間をかけて楽しみたいお酒です。常温でだらだらやる他にあるまい。
それではまた。
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