こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『天美 特別純米 火当て』を紹介いたします。
山口県下関市の長州酒造のお酒です。
2020年の初リリースから大ブレイクを果たし、一躍人気銘柄へと躍り出た『天美(てんび)』。今回はレギュラー商品である特別純米酒をいただきます。「火当て」はいわゆる「火入れ」とのことです。
銘柄誕生の経緯については、SAKE Streetの記事が熱量タップリで読みごたえがあります。気になる方はこちらのリンクをチェックするといいですよ↓
そうそう、杜氏には藤岡美樹氏が抜擢されたんですよね。主に『川鶴』で活躍された女性杜氏の方なのですが、この方はやはりカンがいい。
当時、『川鶴』は田舎臭さの残るやや野暮ったい味わい(今思えばこれはこれで悪くはなかった)だったところ、シュッとしたモダンな味わいへと見事にモデルチェンジさせたののは、紛れもなく藤岡氏の功績でしょう。どの蔵に行っても「首都圏で通用する酒」を作れるツボを心得ているんでしょうね。
『天美 特別純米 火当て』火入れでもフレッシュかつジューシーな果実味が楽しめる1本。軽快な後味が全体のバランスを整える。まさに今、旬のお酒です。
『天美 特別純米 火当て』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
精米歩合 | 60% |
アルコール分 | 15度 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、桃やマスカット、バナナ系の果実の香りが広がります。
あくまでにぎやかで華やかな香りというわけではないのですが、さりげないシンプルさの中に彩りの多様性を感じるイメージ。清々しい香りに美酒の予感が高まります。
口に含むと、生き生きとしたガス感とともに、桃やマスカットを思わせるクリアな果実味が膨らみます。あーわかりやすく美味いですね(笑)「旨い」じゃなくて「美味い」。誤解されないよう付言しておきますけど、もちろん褒め言葉ですよ?
後半にかけてグレープフルーツのような酸味もあり、全体の印象をタイトに引き締めます。ジューシーかつ軽快な装いがいいですね。マイナス5度付近までキンキンに冷やすと、柔らかめの苦味と相まってライムっぽい酸味に感じるのも面白いです。
そんなわけで今回いただいた『天美 特別純米 火当て』、人気の理由がうかがえる完成度の高い1本でした。火入れのお酒でもジューシーさを保つ、いい仕事っぷり。加えてこのバランス感は誰が飲んでも頷きやすいんじゃないでしょうか。
今ならさほど苦労せずに購入できるのもいいですよね。願わくばこの先も『冩樂(しゃらく)』のように気軽にアクセスしやすい銘柄であってほしいものです。
それではまた。
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