しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

『ふくしま美酒体験in渋谷 2016』で福島の日本酒に酔いしれるの巻

広告

広告
こんにちは、しーたかです。
2016年も夏真っ盛り、毎日暑くてついついビールが飲みたくなってしまいます…
ビールもいいけど、夏は日本酒イベントのシーズン!当ブログはストイックに日本酒イベントを追いかけます!
 
というわけで今回は
福島の日本酒イベント『ふくしま美酒体験in渋谷』に行ってきました。

ふくしま美酒体験とは?

f:id:sakearchive:20160620174057j:plain

『ふくしま美酒体験』は福島県酒造組合が主催する日本酒の試飲イベントです。
美酒揃いの東北エリアの中でも、とりわけクオリティーの高い日本酒が揃うのが福島県。
それもそのはずで、福島県は全国新酒鑑評会で金賞受賞数4年連続1位(2013~2016年)に輝いています。
全国新酒鑑評会は市販酒の品質を競うものではなく、手間やコストを度外視して造った最高級酒を対象に審査しています。
『しらべぇ』さんのコラムで、『萩の鶴』の銘柄で有名な萩野酒造の蔵元さんが「鑑評会出品酒は、クルマに例えればF1そのもの」と例えています。うまい例えだなぁ。

日本酒におけるF1レース?最高の名誉「全国新酒鑑評会」とは?【蔵元コラム】 – しらべぇ | 気になるアレを大調査ニュース!

それは手間ひまとコストを極限までかけ、金賞を取ることだけを目標とした芸術品。クルマに例えればF1そのものです。

なので、市販酒とは酒質が大きくかけ離れている場合が多く、金賞を取ったからと言って、その蔵の全ての市販酒までが出品酒と同じクオリティなんてことはあり得ません。弊社だってそうです。でも、ここに食いついて、

「鑑評会出品酒が素晴らしいのはわかるが、市販酒の味が全然違うのはけしからん!!」

と的外れな文句を言うオッサンがたまにいますが、言い換えると、

「ホンダのF1に憧れてホンダの軽自動車を買ったのに、F1と全然違うぞ!!」と、言ってるようなもの。

鑑評会出品酒を造る技術は、少なからず市販酒にもフィードバックされています。それを感じることは難しいかもしれませんが、ホンダの軽自動車にだって我々が気付かないところでF1の技術が生かされているんです。多分ね。

言い得て妙ですね。何はともあれ、全国的にも最高水準にある福島県の酒造技術は、市販酒のクオリティーにしっかりと表れていると思います。

 

ふくしま美酒体験は、まさに美酒のオンパレードだった…!

会場は渋谷駅から徒歩5分のセルリアンタワー東急ホテルです。 f:id:sakearchive:20160811173112j:imageこちらがセルリアンタワー。地上41F、高さ184メートルの立派なタワーホテルです。
 
渋谷はあちこちにビルが建っていて、いかにも都会といったイメージがありますが、意外にも、高層の建物は多くありません。
 
そういったこともあって、客室やレストラン・バーからは、都内近郊の景色や、天気がいいときは富士山まで眺望することができます。

 

会場は地下2Fのボールルームで行われました。こちらはエントランスの写真。f:id:sakearchive:20160811173129j:imageちなみにこの写真もエントランスです。f:id:sakearchive:20160811173149j:image

エントランスだけでこんなに広いの!?
さすが都内の一流ホテルです。ここを1日押さえてるんだから、会場費凄まじい額になってそうです…。福島県酒造組合の気合いを感じますね。
 
受付を終えると、ペットボトル入りのミネラルウォーターをいただきました。 

水もやはり福島は喜多方のものを使っています。f:id:sakearchive:20160811173207j:image 開場前のエントランスでは、なんと『振るまい酒』を提供しています! f:id:sakearchive:20160811173221j:imageなんというサービス精神でしょうか!開場の時間まで手持ちぶさたでしたので、一服の涼を取れるのは嬉しいですね。

『振るまい酒』の中身は『国権』の純米酒。コックリとした味わいでホッとします。

いや~すばらしいホスピタリティ。これは是非、他の日本酒イベントでもやってもらいたいですね〜。
 
エントランス前には放射性物質の調査結果のパネルが
 f:id:sakearchive:20160811173235j:imageこのパネル、福島県絡みの日本酒イベントに行くと必ず見るような気がします。
2011年に起きた東日本大震災以後、福島県はいまでもなお、風評被害に悩まされています。私みたいな飲兵衛は飲んで応援、ですね。
 
さあ開場の時間になりましたので、入場します。
やはり開場はけっこう広いですね~。 f:id:sakearchive:20160811173336j:image
f:id:sakearchive:20160811173351j:imageというか、各都道府県の酒造組合単位のイベントの中では、一番広い会場なんじゃないでしょうか?披露宴をやったら400~500人ぐらいは入りそうなキャパシティがあります。これぐらい広々としていると、ゆったりとブースを回遊することが出来そうです。
 
さぁまずは『廣戸川』を飲みましょう。 f:id:sakearchive:20160811173416j:image
これは廣戸川の平成28年全国新酒鑑評会金賞受賞酒 f:id:sakearchive:20160811173451j:image廣戸川は、首都圏でもよく見かけますね。外連味のないまっすぐな味わいが好印象です。この間読んだ、山内聖子著『蔵を継ぐ 日本酒業界を牽引する5人の若き造り手たち』でも紹介されていました。
 
こちらは『一歩己』ブース。
f:id:sakearchive:20160811173504j:image一歩己は『いぶき』と読みます。『いっぽき』ではありません(笑)
己自身で一歩ずつ前へ、そんな力強いメッセージの一歩己は、米の旨味と芳醇さを出しながらも、サラッとした飲み口です。
 
壇上では福島県酒造組合から挨拶がありました。
f:id:sakearchive:20160811173522j:image
 こちらは白河の酒『登龍』
f:id:sakearchive:20160811173550j:image三十代とまだ若い兄弟で醸したお酒です。地元・白河産の『チヨニシキ』にこだわり、真の地酒を目指します。
 
登龍の特別純米の火入れバージョンを頂きます。27BYと26BYでヴィンテージ違いが2本。垂直テイスティングが出来ます(^o^)
どちらのヴィンテージも共通して、米の味はしっかり出しながらもすっきりした飲み口。個人的には、26BYの方が1年寝てる分落ち着いた味わいで美味しく感じました。しっかりした造りなので熟成にも耐えられるんでしょう。氷温で3~5年寝かせたら面白いことになるのではないかと思いました。
 
こちらは『自然酒』生酛純米吟醸
f:id:sakearchive:20160811173623j:imageインターナショナルワインチャレンジで金賞を受賞したお酒です!
f:id:sakearchive:20160811173641j:image飲むと、ナチュラルな米の甘味が口一杯に優しく広がります。しかもベタベタしない後切れの良さもあります。
飲めばわかるこのハンドメイド感!自然酒の名は伊達じゃありませんね~すげーわこれ。
確かにこのお酒が海外で評価されるというのはよくわかるかも。1本5000円~10000円ぐらいのワインに匹敵するポテンシャルがあります。
 
こちらは天下の『大七』 f:id:sakearchive:20160811173713j:image大七の生酛造りはファンも多いですよね。大七の、あの力強さとソフトな口当たりは唯一無二と言っても過言ではありません。
こちらでは変わりダネで、生酛梅酒をいただきました。生酛造りの清酒に梅を漬け込んだからなのか、はっきり乳酸のような味わいを感じとることが出来ます。明らかに他の梅酒とは一線を画する味わいにただただ驚きます。梅酒造りにも妥協をゆるさない大七酒造の心意気を感じました。
 
こちらは『奥の松』ブース。 f:id:sakearchive:20160811173726j:image奥の松フィギュアがお出迎えしてくれました(笑)たぶん社長のフィギュアなんでしょうね。しかもこのフィギュア良く出来ていて、四合瓶を小脇に抱えさせることが出来ることができます。
ちなみにフィギュアが持ってるのは夏期限定の吟醸原酒。さっぱり清涼感のある味わいで大変飲みやすいです。これが720mlで1050円ってどんだけ安いのよ…。
 
奥の松では純米大吟醸のスパークリングも頂きました。f:id:sakearchive:20160811173746j:image変な甘さは全くなく、すっきりした味わい。食前でも食中でもイケるタイプですね。お値段も手頃でかなりいいんじゃないでしょうか?
 
さて会場もだいぶ賑わってきました。
 f:id:sakearchive:20160811173758j:imageブースの脇には休憩用の円卓席が設けられています。 f:id:sakearchive:20160811173812j:imageこういうの大事ですよ~なんだかんだ2時間も立ちっぱなしで試飲してると疲れちゃいますからね。
飲み疲れや泥酔防止のためにも、間にブレークタイムを入れるのも悪くありません。
新宿の元祖セルフ飲み放題『やまちゃん』も飲み放題の途中に休憩時間設定してますよね。酒を美味しく飲むには、休むことも大事!だと思います。
 
ブレーク明けもどんどん飲みます。こちらは『花春』ブース。 f:id:sakearchive:20160811173830j:image結果から言うと、ここの酒が一番心に残りました。
 
花春って、よく聞く銘柄のわりに飲んだことなかったんですね。
花春酒造株式会社(はなはるしゅぞう)は、福島県会津若松市の酒類製造・販売業者。商標は『花春』、キャッチフレーズは『会津のよさは酒の良さ』である。
かつては2000年代初頭まで美人モデルを起用したCMが福島県内を中心に長年流れていた。1980年代初頭までは日本テレビで夕方にスポットCM(80年代後半にはフジテレビでも放映)を、またかつての後楽園球場の3塁側ジャンボスタンドの最上部に広告があった。
 
福島ではけっこう規模の大きい酒蔵だそうです。
花春酒造から枝分かれした酒蔵もあり、今注目の『冩楽』で有名な宮泉銘醸も兄弟会社なんだとか。(ちなみに宮泉銘醸は今回不参加)
 
花春は、流行りの酒という感じの味ではありませんが、どの酒を飲んでも心が朗らかになるような味がします。いい意味で洗練されすぎず田舎っぽさがあるというか、飲んでて妙に和みます。ハッとするような美酒もいいですが、こういうお酒の方がずっと飲んでいたくなる魅力があるように思います。
 
こちらは『奈良萬』ブース f:id:sakearchive:20160811173850j:imageたまに勘違いされている方がいますが、奈良のお酒ではありません。奈良萬はなんと贅沢に純米大吟醸のオンパレードです。
 f:id:sakearchive:20160811173907j:image純米大吟醸の斗瓶囲いは絶品でした。ほとばしるような芳醇な果実味、それでいて透明感のある上品な味わい…わかりやすくウマイです(笑)
 
これ以上は書き続けるとキリがないので、これぐらいにしておきます!
その他には雪小町、ロ万、七重郎、天明・一生青春、豊久仁、末廣の大吟醸などを試飲。どれも個性があって美味しくいただきました。
f:id:sakearchive:20160811173939j:imagef:id:sakearchive:20160811173958j:imagef:id:sakearchive:20160811174009j:imagef:id:sakearchive:20160811174020j:image
f:id:sakearchive:20160811174046j:imagef:id:sakearchive:20160811174106j:image
 

おわりに

『ふくしま美酒体験 2016』改めて振り返ると素晴らしいイベントでした。
個人的によかった点は
  • 振る舞い酒(ウェルカムドリンク)の提供はうれしいサービスだった
  • やはり4年連続での全国新酒鑑評会最多金賞は伊達じゃない
  • 会場が広くて最高
  • アンケートに答えるともれなく、サトウのごはんみたいなパック(福島県産コシヒカリ)が3つぶんもらえる
この辺でしょうか。
 
予定が合えば来年も行ってみたいものです。
 
それではまた。