こんにちは、しーたかです。
福井県の雄・黒龍酒造の珍しい酒を紹介しますよー!
今回紹介するのは黒龍 あどそ 大吟醸純米酒
黒龍では珍しい福井県限定の商品です
黒龍のイメージ=山田錦を使った高級酒?
突然ですが、みなさんは黒龍の酒について、どのようなイメージをお持ちでしょうか?
高級?有名?美酒?
人それぞれで色々あると思いますが、私の中では「上品で美味しい」「非日常の高級酒」といった印象があります。
というのも、黒龍酒造のラインナップのなかで飛び抜けて美味しいお酒といえば、やはり高級酒のラインじゃないかと思ってるんです。
例をあげると『石田屋』『仁左衛門』『火いら寿』『八十八号』などは「さすが黒龍」と絶賛したくなる味わいです。それもハレの日に飲みたくなるような、上品さや静謐さをたたえています。
私が例に出した4つの銘柄には共通点があります。
それは、兵庫県東条産の山田錦を100%使用して造られたというところです。山田錦といえば酒米の王様。それも兵庫県の特A地区にあたる東条産の山田錦を使っています。最高の酒米に、黒龍酒造の技術力が加わることで、上品で優美なお酒が出来上がります。
金太郎飴のような紋切り型の高級酒、果たしてそれでいいの?
例に出した『石田屋』『仁左衛門』『火いら寿』『八十八号』は本当に美味しいですし、そのぶん人気もあります。黒龍酒造の大吟醸酒、それも最高級の山田錦ですから。
人気で美味しいのはいいことなのですが、私には気になることがありまして、
「黒龍酒造は、大吟醸クラスの高級酒には、地元・福井県産のお米をほとんど使っていない」
という点がひとつ引っ掛かっています。
例外として『九頭竜 大吟醸』は福井県産の五百万石を使っていますが、他の大吟醸は、ほとんどが兵庫県産の山田錦を使ったものです。
結論から言うと、個人的には、黒龍酒造さんには高級酒にも地元である福井県産の米を使ってほしいと思ってます。
もちろん兵庫県東条地区の山田錦にこだわるのも理解できますが、他所の県の米を使いすぎじゃないかと。
「美味しければなんでもいいじゃないか」という主張もあると思うんですけど、私はどうもモヤモヤするんですよね。
例えるなら、プロ野球のチームで常勝チームがあるとして、そのクリーンナップの3、4、5番バッターが全員助っ人外国人というようなイメージです。
いくらチームが強くても、なんも面白くないんです。ファンでもしらけますよね。
良い原料米が必要となる高級酒でも、いや高級酒だからこそ、地元産の米を使って、その土地の個性を表現してもらいたいんです。
黒龍酒造さんだけではなく、全国の酒蔵にも言えることですが、兵庫県産の山田錦が使いやすいとはいえ、同じ米で同じように大吟醸造ってどうするの?って思うんですよね。
ウマければなんでもいいの時代は、とうに終わりました。
金太郎飴のような紋切り型の高級酒には、いささか食傷気味なのですが、これは都会で飲んでいる者の傲慢なのでしょうか?
『黒龍 あどそ』に福井の息づかいを感じ取る。
そういうわけで、黒龍酒造の高級商品のラインナップには個人的に不満がありますが、その中にも、地元のテロワールを表現しようとする意欲作があります。
それは『黒龍 あどそ 大吟醸純米酒』福井限定で販売されている商品です。
『あどそ』という名前は、福井県大野市阿難祖(あどそ)地区の酒米・五百万石で造られていることから由来しています。
『黒龍 あどそ』は黒龍特約店有志の会が企画・立案した商品です。
酒販店、酒蔵、米農家と消費者でひとつの酒を造ろうという企画です。
この酒の面白いところは、消費者も生産の過程に携わっているという点です。
というのも、毎年行われている『ありがとうプロジェクト』に申込むと、一般の消費者の方も『黒龍 あどそ』に使われるお米の田植えと稲刈りに参加出来るのです!以前私もツイッターで『ありがとうプロジェクトについてツイートしていましたね(^-^)
2016年の黒龍ありがとうプロジェクトもうすぐ応募締め切りですね。田植えから稲刈りまで体験して、その酒米で造られた黒龍の「あどそ」(純米大吟醸)を1本いただけるそうな。参加費3000円。福井県在住なら応募したかった(T_T)https://t.co/b0kdBallTh
— しーたか (@s_sakearchive) March 15, 2016
お酒の原料である米の栽培を通じて、自然に触れ、人と人との繋がりを実感できるプロジェクトとして毎年好評を博しています。
それでは、消費者や生産者、小売店の想いが詰まった『黒龍 あどそ』を飲んでみましょう。
香りはバナナや洋梨のようなニュアンスで淡く控えめに立ち昇ります。
口に含むと、最初に甘みとすっきりとした清涼感。中盤以降に米の旨味がソフトに広がり、わずかな酸味とほろ苦さがアクセントとなって、今までの黒龍にない滋味深い味わいを形成しています。
大吟醸とはいえ50%精米なので、米の味もほんのりと感じられます。
洗練されすぎず、田舎くささもないギリギリのライン。黒龍らしさもあり、福井の風合いも感じる均整のとれた味わいのお酒でした!初夏から秋の季節に、鮎の塩焼きと一緒に飲んでみたくなる逸品であります。
ただこの『黒龍 あどそ』惜しい点がひとつ。それは福井県の特約店限定の商品ということ。福井県以外に在住の方が購入しようとするならば、現地に行くかネット通販を使うしかありません。
うーん、まさしく『地酒』を地で行ってますね。黒龍をよく飲む方でも、あどそは知らないという方は多いと思います。黒龍が好きな上司へのお中元・お歳暮にあどそを贈れば、喜ばれること請け合いでしょう!
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