こんにちは、しーたかです。
今回は『仙禽(せんきん) オーガニック・ナチュール』をいただきました。
栃木県さくら市のせんきんのお酒です。
『仙禽』といえば、「酸味」を全面に押し出したスタイルで頭角を表したいわゆる甘酸系の代表銘柄ですね。
日本酒のテイストとして長らくタブーとされていた「酸味」にこだわる独自路線でブレイクスルーを果たしたことは、日本酒業界全体においてもエポックメイキングな出来事でした。
『仙禽』の登場以降、甘酸系のお酒が増えたというだけでなく、日本酒における「酸味」の存在が肯定的に受け止められるようになった結果、日本酒と料理のペアリングに関しても自由な発想が生まれやすくなったように思います。
従来の日本酒の概念を変えたという意味では多大な貢献を果たした銘柄です。日本酒ファンとしては今後の展開も見逃せないもので、普段と違ったお酒が売っていると何とはなしに買ってしまいがちですね。
さて、今回いただく『仙禽 オーガニック・ナチュール』は、新発売の通年商品で、30BYまで発売されていた『仙禽 ナチュール』の後継酒となっております。
私も以前『仙禽 ナチュール ドゥ』をブログで紹介していますが、複雑な味わいながらクリアーさを獲得した他に類を見ない味わいでしたね。
今回発売された『仙禽 オーガニック・ナチュール』も木桶を使って酵母無添加のきもと仕込みのお酒を造るという、超古典的なコンセプトとなっており、前身のナチュールシリーズとの大きな違いは、原料米の『亀ノ尾』がオーガニックとなったことだそうです。
「そこまでやるか!」とこちらが驚くほどに、余すところなく思想を体現しようとする『千禽』の姿勢は素晴らしいと思います。楽しみにいただくことにしましょう。
『仙禽 オーガニック・ナチュール』古典生酛とは思えないモダンな味わい。しかし硬さが目立つのが個人的には△か。
『仙禽 オーガニック・ナチュール』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | ドメーヌさくら・亀ノ尾(栃木県さくら市産) |
精米歩合 | 90% |
アルコール分 | 14度 |
仕様 | 超古代製法・酵母無添加(蔵付き酵母)・木桶仕込み・生酛酒母 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、セメダインや白ぶどうを思わせる香り。
以前いただいた『仙禽 ナチュール ドゥ』と比べてだいぶ腰の座った香りだな~という印象です。まぁそれでも精米歩合90%とは思えない軽い香りなんですけどね。
口に含むと、微量のガス感とともに抽象化された柑橘×乳酸の甘味が膨らみます。
やはり精米歩合90%とは思えない洗練された味わいですね。クリアーで意外と硬さもありますね。甘みの奥の方がソリッド。『仙禽』ってこんな酒だったっけ!?
後味はアプリコットを思わせるしなやかな酸味。けっこうシャープですね!生酛のニュアンスはこの辺りに出てるのかも?やや収斂味もあってドライな印象です。
開栓してからもずーっと硬さを感じるのはなんなんだろう。開栓直後から積極的に微笑んでくれるタイプのお酒ではないような気がしました。
かといって長期間ほったらかしにするような酒でもなさそうですし…。うーん、有識者の見解が聞いてみたいです(笑)
そんなわけで今回いただいた『仙禽 オーガニック・ナチュール』、モダンでシャープ、やや無機質な印象を受ける味わいでした。
以前飲んだ『千禽 ナチュール ドゥ』とは全く別物でしたね。あっちはキュートな印象もありましたが、こちらは愛想のかけらもありません(笑)
お酒のクオリティ自体は非常に高いと思いますが、生酛仕込みのお酒に「あたたかみ」や「柔らかさ」を求める方にはかなりキツいお酒かも?
個人的にも「うーん、どうなんだこれは…」という気はしてます。とはいえヴィンテージや生産ロットによって味も変わるでしょうから、機会があればまた試してみます。
それではまた。
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