こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『飛鸞(ひらん) 純米50』をいただきました。
長崎県平戸市の森酒造場のお酒です。
まだまだ知名度が低く、ご存じない方も多いのではないでしょうか、この『飛鸞』。個人的には2018年の日本酒フェアで初めて知って以来、何かと気にかけている銘柄です。浦霞での修行を終えた社長の息子さんが蔵に入ってから少しずつ変わり始めましたね。伊勢丹で取り扱いが始まるなどじわじわとブレイクの兆しが見られるようになりました。
ちょっと驚いたのは、2020-2021シーズンから生酛造りをスタートされたというニュースです!へぇーそっち路線にいったのねと。自分が知る限り長崎県の日本酒では唯一の生酛なんじゃないかな?まだ若い造り手ですし、いろいろ挑戦してオリジナルの酒質を作り上げてほしいものです。
『飛鸞』の森酒造場が生酛を始めているではありませんか!ゆくゆくは全量生酛を目指すそうです。頒布会、申込むか悩むなぁ。 pic.twitter.com/rgtec9sx9q
— しーたか (@s_sakearchive) 2021年3月9日
さて今回いただく『飛鸞(ひらん) 純米50』は、『飛鸞』ブランドにおける現行のレギュラー商品です。生酛造りが本格的に軌道に乗ったら終売になってしまうかもしれませんねー。
『飛鸞』の純米○○シリーズはこの他に『飛鸞 純米40』と『飛鸞 純米65』があります。精米歩合は50%、しっかりした化粧箱も付いて1000円台中盤というリーズナブルな価格が嬉しいですね。
『飛鸞 純米50』香りはメロンやセメダイン、粘度を伴った甘旨みが滑らかに広がる上々の味わいです。
『飛鸞 純米50』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 山田錦 20% 五百万石 80% |
精米歩合 | 50% |
アルコール分 | 16度 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、典型的なセメダイン香に加えて微かにバナナのニュアンスも感じられますね。爽やかさ全開というよりはやや落ち着いた香り。「付いてしまった」感のある木香もじわりと滲み出ます。以前、日本酒フェアで飲んだ際には感じなかったけどねー。木陰のベンチでひとり読書に耽る青年のイメージです。
口に含むと、セメダインやメロンの香りとともに、白ブドウを思わせるクリアな甘みが抑制的に膨らみます。製造から少し時間が経っているのも関係あるのか、液体に粘度がありますね。この滑らかな旨みは京都の『蒼空』に近いものを感じます。もっとも完成度でいえばその域までまだまだ及びませんが。
後半は、輪郭を縁取るような適度な酸味と柔らかい苦味がしっとりとドライなフィニッシュを形成します。やはり鼻から抜けるような若干の木香がありますが、丸みのある粘性の旨みと上手くリンクしてポジティブな個性へと落とし込めている印象です。
いや~なかなか面白い酒ですね。出来れば出荷されたばかりの頃に買って寝かせてみたい!速醸の酒ですでにこの方向性でしょ?当然、生酛にも期待してしまいますね。
それではまた。
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