こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『くどき上手 大吟醸 禁じ手 11% 生詰』をいただきました。
山形県鶴岡市の亀の井酒造のお酒です。
スペックに対して抜群のコストパフォーマンスを誇る『くどき上手』ですが、このお酒は特にビックリですよね~。精米歩合11%のお酒がお値段なんと5500円。「ゼロ一個少なくない?」と心配になる驚安プライスで実現されました。
普段ボーッと暮らしていたら、精米歩合10%台のお酒なんてそうは飲む機会がありませんからね。これを庶民の手の届く価格で打ち出した亀の井酒造はホントに凄いと思います。
あと、今回の『くどき上手』は醸造アルコールを添加した大吟醸酒というのもひとつのポイントですね。亀の井酒造の商品ラインナップでは、鑑評会向けの出品酒や超辛口の『ばくれん』を除けば、アル添のお酒ってほとんどないんじゃないんですかね?
日本酒業界はここ20年近く純米酒志向が進んでいますが、個人的にはアル添酒も大好きなので、理解のある酒蔵さんには今まで通りアル添酒にもリソースを割いていただきたいな~と思う次第です。酒屋万流(さかやばんりゅう)とは良く言ったもので、日本酒の多様性は大事にされるべきでしょう。
『くどき上手 大吟醸 禁じ手 11% 生詰』これだけ磨き倒した酒米を使っても、くどき上手らしいド派手な芳醇旨口路線を堅持!一方で繊細さに欠ける点もあり一長一短な酒質です。
『くどき上手 大吟醸 禁じ手 11% 生詰』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール |
原料米 | 山形県産美山錦 100% |
精米歩合 | 11% |
アルコール分 | 16度以上17度未満 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、アルコールや除光液、ややケミカルなニュアンスも混じりつつも、華やかなリンゴの香りがはっきりと漂います。
口に含むと、みずみずしいリンゴやミルキーな香りとともにフレッシュで濃密な甘旨みが膨らみます。おぉ思っていたよりも味にボリュームがあるね!そして、思っていたより繊細な感じはない(笑)
無論、雑味は少ない。でも、もう一段上のステージを見せてくれても良さそうな気がする。ワインで言えばフィネスが足りない印象です。やっぱり味筋がこれみよがしというか露骨だよね。M字開脚でパンツもろ見えの美女的な感じといいますか、いやそれはそれでアリなんですが。
誤解のないように付言しておきますと、別に文句が言いたいわけではないんですよ。たった5000円でこのスペックのお酒に文句を言うのはお門違いですからね。
かなり磨いた酒という感じを受けるが、良くも悪くも精米歩合11%って感じはしないですね。アルコール度数もやや高めで、味も担保されているからなのかな?これだけ磨いたお酒でもしっかり芳醇旨口路線に持っていく辺りに『くどき上手』のアイデンティティーをはっきりと感じ取れます。
『くどき上手』らしいと言えば、パッと弾けるようなアルコール感によるキレに「意地でも味をモタつかせないぜ」という気概を感じました。
個人的にまた飲みたいかと言えば非常に微妙なラインのお酒ではあるものの、精米歩合10%台の日本酒としては有意なサンプルなんじゃないかなという印象です。故にビギナー向けと見せかけて実はマニア向けなお酒な気がしますね。ただ単に『くどき上手』が飲みたいだけであれば、これより低価格の商品でも十分満足できるものが多いのでそちらをオススメします。
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