こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回ご紹介するのは、富山県南砺市、世界遺産・五箇山の合掌造り集落でも知られる豪雪地帯の酒蔵から。
『三笑楽 山廃純米吟醸 亀の尾 直汲み生原酒』です。
三笑楽酒造といえば、創業1880年の老舗。モダンとクラシックの中間帯で骨太な媚びない酒を造る硬派なイメージがありますね。
今回のスペックは、様々な品種のルーツとなった幻の米「亀の尾」を使用し、「山廃仕込み」で醸した「直汲み生原酒」という、なんともマニア心をくすぐるという意味においては数え役満的な一本。
「亀の尾」特有のシャープな硬質さと、「山廃」の野太い酸、そこに「直汲み」のガス感が加わったら一体どうなるのか?『三笑楽』と亀の尾はかなり相性いいだろうなーと踏んでいます。
価格は720mlで2,000円弱と、このスペックにしてはかなり良心的。さっそくいただいてみましょう。
『三笑楽 山廃純米吟醸 亀の尾 直汲み生原酒』の味わいは?
では、開栓です。
直汲みらしく、栓を開けるときにプシュッと元気なガスが抜ける音が心地よいですね。
香りは、派手な吟醸香ではありませんが、ほんのりとしたグレープフルーツの様な柑橘系の爽やかさがあり、その奥から山廃らしい乳酸系のヨーグルトっぽいニュアンスが上品に漂います。ちょっとパイナップルっぽさもあるかな?
派手さはないけど個性はあるのが『三笑楽』の特徴で、この絶妙な塩梅がいいんですよね。
口に含むと、ピチピチ弾けるガス感とともに、ジューシーな旨味が飛び込んできます!
ファーストアタックは直汲みらしいフレッシュさが前面に出ますが、すぐに山廃由来のしっかりとした酸がググッと主張してきます。
これが美味い。
亀の尾というお米は、ともすれば硬質で線の細い味わいになりがちなんですが、山廃仕込みのおかげか、ボディにふくよかさがありつつも、余韻は驚くほどシャープ。
甘酸っぱいフレッシュ感がありながら、後味はスパッと切れる。
山廃の中ではライト路線ではあるのは間違いないと思います。個人的にはこの軽快なタッチと芯のある酸のバランスが絶妙だと感じました。
冷酒で飲むとガス感が爽快で美味しいのですが、三笑楽といえばやはりお燗を試してみたいものですよね。
温度を上げてぬる燗にしてみると…いい感じに化けてくれました。
ガスが抜けてまろやかになり、隠れていた米の旨味がじわじわと広がり、昔ながらの日本酒らしい深みが出てきます。独特の酸味が旨味と交わって、スポーツドリンクの様なニュアンスも感じられるのが面白いところです。
冷やでよし、燗でよし。様々な表情で楽しませてくれる上質なお酒ですね。
おわりに
そんなわけで今回は『三笑楽 山廃純米吟醸 亀の尾 直汲み生原酒』をいただきました。
フレッシュなガス感と、亀の尾らしいカチッとした味わい、そして山廃の酸が見事に調和した一本でした。
最近、流行りの甘くてフルーティーなお酒とは一線を画す、食事に寄り添うための実直な生酒という印象です。「酸味が強いお酒はちょっと…」という方にも、このフレッシュなバランスならぜひ試していただきたいです。
それではまた。
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