こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『加藤釣具店』にお邪魔しました。
上大岡駅から徒歩3分。京急百貨店の裏手のエリアの一角、いかにも地元客が好んでたむろしそうな古いビルの2Fにあります。
別に私は釣りの餌を買いに来たわけではありません。酒と食事を楽しみにきたのだ。店名に釣具店とあるのでややこしいのですが、こちらのお店は実は飲食店なんですよね。関内の『カサブランカ 片野酒類販売』といい、初見の客にはややこしいことこの上ありません(笑)
料理のメニューはこちら。釣り好きなマスターによる鮮魚を中心とした料理の数々はどれも600円前後とかなりリーズナブルです。
ホタルイカに初物わかめなど旬を強く意識した献立がいいですよねー。酒飲みの心に響く。ちなみに1番食べたかった『のれそれ』は品切れでした。
まずいただいたのは『とりハム生のりあんかけ(600円)』。
軽く燻製した鶏胸肉を、旬の生海苔を入れた餡でとめたひと皿。しっとりとした肉質で美味しい。生海苔の香りより燻香が若干勝っているものの、餡自体もなかなかイケてるのよね。
『初物 わかめ ポン酢(500円)』。
初物のわかめは自家製のポン酢でさっぱりといただきます。この独特の風味、歯応え、春が来たんだねぇ…。
気の利いた肴があれば、やはり日本酒が飲みたくなります。日本酒は日替わりで常時5~6種類揃えているそうです。
この日は『にいだしぜんしゅ』『みむろ杉』『鶴齢』『高清水』『鶴岡美人』とメニューに記載し損ねた『明鏡止水』の6種でした。味のタイプもうまいことバラけていますし、簡にして要を得たセレクトといった趣で好感が持てます。
この日はさっぱりした味わいの『鶴岡美人』からスタート。あとで調べたらカクヤスでも買えるのね…!これは間違いなく刺身に合うはず。
本日のメインの『お刺身の盛り合わせ(値段不明、おそらく1皿1,000円程度?)』。
1番上から時計回りに真鯛、水ダコ、帆立、ワラサの4種です。魚自体の状態を見極めて熟成させたり、湯引きをしたり、そのひと手間ひと手間は如実に味に表れます。
ちなみに醤油はお店で土佐醤油をこしらえているそうです。土佐醤油といいポン酢といい、既製品をそのままの形で提供するのではなく、自分で作れるものは自分で作るブリコラージュの精神が素晴らしいですね。
『ホタルイカと米茄子のトマトソース(680円)』。
うわーこれは和食の居酒屋で出て来るトマトソースの味じゃないですよ。もしかしてマスターは洋食の経験もあるのだろうか?
お次は『かぼちゃとホッケくんせいサラダ(600円)』。
字面だけ見ると「どんな料理だ!?」と怪訝に思うばかりですが、実物を見ればあーなるほどねと。マスターいわく『にいだしぜんしゅ』と合うとのことなので、せっかくなので試してみると、たしかに旨口の酒とは相性がよさそうです。
聞けば、日本酒と料理のペアリングにも関心があるそうで、お店での調理は「酒が主で肴が従」のアプローチを意識しているそうです。特別、日本酒のペアリングを唱っているわけでもなく、サラッとその一端を見せてくれるのは非常にカッコいいですよね。
『新じゃがのり塩ポテトフライ(550円)』。
一時期、マックのポテトフライがSサイズしか注文できなかった反動なのか、居酒屋に行くとここぞとばかりにポテトフライを注文するようになってしまいました…!味は…フツウにうまい。
『スルメイカ下足と青唐の天ぷら(700円)』。
これは、ややねっとりした衣で賛否がはっきり分かれそうな感じですね。個人的には今までの印象が良かったので、際どいコースは全てストライク判定とします。
〆は色々あって『あら汁』をサービスでいただきました。
しこたま飲んだあとの気付けの一杯はあら汁でした。今まで飲んだあら汁の中で群を抜いて濃厚じゃないか…!何したらこんなにしっかりした出汁がとれるんでしょう?やたらとクセになる味なんですよねー。毎回安定してこの味になるならそれは凄い。仕込みの時間に見学してみたいお店のひとつです。
おわりに
そんなわけで今回お邪魔した『加藤釣具店』、旬を感じる気の利いた料理の数々に加えて、店主の客あしらい、ホスピタリティも素晴らしい良店でした。
この日のお会計はそこそこ食べて飲んで2名で13800円。この辺りの相場としては安くもなく高くもなく、適正価格といったところでしょうか。
2回行けば「行きつけ」、3回行けば「常連」になれそうな雰囲気の良さで、地元のお客さんは通いがいがありそうですね。まさに個人経営の居酒屋のお手本のようなお店。上大岡に立ち寄る際はぜひ再訪したいです。
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