しーたかの日本酒アーカイブ

日本酒の魅力について、もっと語りたくなったからブログを始めたんだ

【書評】神奈川健一『世界一やさしい日本酒の味覚図鑑』プロには真似できない?的確かつキャッチーな表現力に、首がもげるほど共感できる一冊

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こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。

普段はこのブログで日本酒の銘柄レビューを書いていますが、今回はちょっと趣向を変えて「日本酒の本」の紹介をしたいと思います。

2025年12月2日に発売されたばかりの話題の新刊

『世界一やさしい日本酒の味覚図鑑』です。f:id:sakearchive:20251207085559j:image
著者は、X(旧Twitter)の日本酒界隈の方ならお馴染、横浜在住の日本酒ブロガー・神奈川健一さん(@KanagawaKenichi)です。

神奈川さんといえば、会社員として働きながら、年間相当な数の日本酒をテイスティングし、ブログやSNSで発信し続けている本物の「酒カス」*1として知られています。

我々のような「ただの飲兵衛」というだけでなく、インフィニット・酒スクールで理論を体系的に学ばれるなど、インプットとアウトプットの両方に精力的な姿勢には、個人的にとても尊敬しています。

そんな神奈川さんがご自身の本を出版されると聞いて、自分のことのように嬉しく思ったファンは、きっと私だけではないのではないでしょうか。

プロには書けない?「キャッチーで奇想天外」な表現力

実はこの本、「世界一やさしい○○の味覚図鑑」シリーズの第2弾なんです

前作の『世界一やさしいウイスキーの味覚図鑑』も私は読んだんですが、あちらも素晴らしい良書です。

時には、思わず「えぇどういうこと!?」って思わず聞き返したくなるようなこちらの想像の斜め上を行くような表現が出てくる。

そういった意味では、的確かつキャッチーな表現ができる神奈川さんが日本酒版に抜擢されたのは、まさにハマり役。これ以上ないほど絶妙なキャスティングだなと思いました。

実際に掲載されている130銘柄のテイスティングコメントを読んでいると、

「わかる!!そうそう、この酒はこういう味だよね!」

と、首がもげるほど頷いてしまう記述ばかり。

自分がよく知っている銘柄についても、「なるほど、そういう切り口で表現するのか」と新しい発見や示唆をいただけました。

本書の立ち位置としては、おそらく日本酒初心者〜中級者向けなのかなと推測しますが、玄人が読んでも十分に楽しめる内容になっていると思います。

「この酒、何と合わせればいいの?」日本酒と料理のペアリングの疑問に答えてくれる

そして、個人的にこの本で一番勉強になったのが「ペアリング(おつまみ)」に関する記述です。

日本酒好きな方でも、

「このお酒、美味しいけど家で飲む時に何と合わせたらいいのかわからない…」

という悩みを持っている方は多いと思います。

この本では、ただ「魚に合います」といった抽象的な表現ではなく、

「合わせる料理の方向性」や「具体的な食材・調理法」まで詳細に語られています。我々の生活レベルで実践できる提案が多いので、すぐに試してみたくなるんですよね。

私自身、「今度この組み合わせやってみよう!」と付箋を貼りたくなるページがいくつもありました。

神奈川さんのこのペアリング理論、めちゃくちゃ実用的です。なんなら、次はペアリングに特化した書籍を出してほしい!神奈川さん、カンゼンさん、ぜひご検討ください。

スーパーのお酒から名酒まで。4つのカテゴリーで探せる

本書の構成は、日本酒を以下の4つのカテゴリーに分類して紹介しています。

1. モダン・エレガント(獺祭、作など)

2. モダン・シック(久保田萬寿、仙禽など)

3. クラシック・リッチ(生酛・山廃系など)

4. クラシック・マイルド(大七、大関ワンカップ(!)など)

ラインナップも絶妙で、十四代のようなプレミアム酒だけでなく、『獺祭』『八海山』『剣菱』『立山』といった、スーパーや百貨店で手軽に購入できる銘柄も多く収録されています。

「酒屋さんは敷居が高くて入りにくい…」というライト層の方にとっても、非常に優しいつくりになっていますね。

まずは気になるカテゴリーのページをパラパラめくって、気になったお酒を近所で買ってみる、という使い方ができるのが良いところ。

また、クラシック系の銘柄については、冷酒・常温・熱燗の温度帯でテイスティングコメントも記載されており、飲むのも執筆するのも大変だったろうなと想像されます(笑)

膨大な量の日本酒について記述されているため、私もまだ全部が全部目を通せているわけではありませんが、少しずつ味わうように読んでいきたいです。

おわりに

というわけで今回は、『世界一やさしい日本酒の味覚図鑑』をご紹介しました。

イラストレーター・山本祥子さんの柔らかいイラストも相まって、文字通り「世界一やさしい」顔をしており、とっつきやすい書籍でありますが、中身は著者の膨大な飲酒経験に裏打ちされた、非常に濃度の高い一冊です。

これから日本酒を覚えたい初心者の方はもちろん、「最近、家飲みのつまみがマンネリ気味だな…」という愛好家の方にも、ぜひ手にとっていただきたいガイドブックでした。

気になった方はぜひチェックしてみてください!

それではまた!

これを機に日本酒関係の書籍レビューを増やしていきたいなぁと構想中。最後に書籍レビューらしいものを書いたのは8年前だったとは…!

sakearchive.hatenablog.jp

*1:個人的に酒カスって言葉はあんまり好きなじゃないのですが、あえて言わせてもらおう、酒カスであると!