こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『AIX:S(エックス)』にやってきました。
東京メトロ銀座線の外苑前駅から徒歩2分。駅から神宮球場に向かう道の途中にあるフランス料理のお店です。
駅からあまりに近すぎて驚きました、へーこんなところにレストランが。しかも表通り側だったのか。地下へと続くやけに長い階段と、エントランスまでの絶妙な距離感による「じらし」がニクいんですね(笑)ずいぶんと深くまで降りた分、フロアは天井が高く、地下にいることを忘れるぐらいゆったりとした雰囲気です。
お店のコンセプトは「三つ星レストランの味をもっと気軽に」と至って明快。夜のコースは基本的に5900円(税・サ別)の1本立てです。
プラス3000円でタイタニック号最後の晩餐を再現したという牛フィレ肉のソテーに変更も可能です。但し書きにある「二人の愛は沈みません。」の記載が逆に不吉に感じるの自分だけでしょうか?
まずはプティフールサレ/アミューズから。秋~冬の庭を見立てた一皿です。
右上から時計回りに、トマトのサブレ、茸のキッシュ、カレー風味のミニバーガー、ウフミモザ、そして黒い干し椎茸のようなものは、竹炭を使ったおせんべいのようなものだそうです。
「何?この小石は毎回洗って乾かしているの?うわー大変そう!」という感想が先行するのは労働者の悲しい性です。どれも一口二口で食べ終わるサイズ感。スパークリングワインで喉を潤しながら軽く摘まむにはちょうどいいですね。
『ブランダードのクロケット』。
中に入っているのは鱈の風味をまとったマッシュポテト状のタネ。衣は揚げすぎたわけではなく竹炭由来とのことです。誤発注して竹炭が大量に余っているのだろうか?と邪推してしまうほどの竹炭祭り!旨いからいいですけどね、祭りだソイヤ!
味もいい、しかもレシピが秀逸。これはなんとか冷凍食品にできないものかしら?ピカールあたりで売り出したらけっこう売れそうな気がします。
お次は『フォアグラのフラン』。
「フォアグラのフラン」というと神楽坂の『ピアッティ・カステリーナ』のスペシャリテを真っ先に連想します。あれはあれでめちゃくちゃウマイのですが、今回いただくのは茶碗蒸し風な仕上がり。料理名が同じでもお店によって全然違うのが面白いですよねー。
一点の曇りもない清澄なコンソメは理性に訴えかけ、黒トリュフとフォアグラの濃厚な風味は本能に働きかける。あぁーこれは飽きるまで食べたい。許されるなら日本酒と合わせてみたいものですよ。
付言しておかなければならないことは、パンがきちんと旨いということ。パンが旨いと、他の料理の説得力も増しますね。おかわりはないのか!?どうやらないようだ…(笑)
こちらは『サーモンの燻製 モンブラン仕立て キャビア添え』。コースの料金にプラス1000円で変更していただきました。何のコンペか忘れましたが受賞作品だそうです。
適当な撮影でもそれなりに映えるビジュアルが最高!むっちり、グニッっと弾力を残すサーモンの食感に、滑らかなモンブランの質感がグリップしていきます。
今年いただいたサーモン、鱒系の料理の中でベスト3*1に入る1皿ですね。味もよく、記憶にはっきり残る。これぞスペシャリテ、な逸品でした。
メインの魚料理は『5種ナッツの衣を纏った鮮魚のポワレ 赤パプリカのソース』。
この日の魚は黒鯛。大胆な色遣いですね。これは今回のコース中で一番微妙…かなり強めのアタリで何を食べているのかイマイチわからない皿でした。
肉料理は『マグレ鴨のロースト フランボワーズソース』です。
一口噛み締めると、肉汁が滴り、旨味が溢れる。合わせるワインは丹波ワインの長野産メルロー。食材やソース的にてっきりピノ・ノワールで合わせるのかと予想していたのでちょっと意外でした。そして飲むと納得。全盛期の赤星(阪神)並みに広いメルローの守備範囲よ…。
食後に出てきたのは『フルムーン AIX:S風』。
見た目は完全にわらび餅…?介護施設の方と共同で開発した、絶対に喉につまらせないゼラチンを使ったデザートです。
たしかにありそうでないつるんとした喉ごし!ホントに喉に詰まらないのか丸飲みしてみようかと思いましたが、やめておきました(笑)
メインのデセールは『フランス産マロンのムースと蕎麦のガレット』。
見逃しがちですが、下に敷かれたココアのサブレが濃厚なモンブランの甘みを引き締めてくれます、いい仕事!
ちなみに蕎麦アレルギーの方は事前に申告すれば、2本のガレット部分を外して提供していただけます。まー重度のアレルギーの方は利用自体やめておいたほうがいいかもしれないですけどね。
ちなみにメニューに記載されていた『トミオ・フクダ・ドライオンツリー』は食後のコーヒーのことでした。オススメのブラックでいただきます。軽めの味わいで飲みやすく、これは確かにブラック以外の選択肢はなさそうだ。
おわりに
そんなわけで今回お邪魔した『AIX:S(エックス)』、見て、食べて、楽しいコースで満足感の高い食事をいただけました。
支払いは2人で28000円。5杯5000円のワインのペアリングセットは、1杯のサーブ量がたっぷりめ。食事を終える頃にはいい酔い具合になりました。女性の方だとちょっと多すぎるかもしれませんね。自信のない方は3杯3500円の方をどうぞ。
記憶にしっかり残るスペシャリテがあるお店は強いですね。場所柄か客層も落ち着いていて、リラックスできました。
それではまた。
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ジャンル問わずオススメの飲食店をピックアップしました。飲食店の記事はもっと書きたい意欲はあるのですが、なかなか骨が折れる作業で…(笑)
*1:あとの2つは小田原『奴寿司』の漬けサーモンと横浜『鈴な凛』のやしおます。あれは何度でも食べたい。