こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『笹祝 新潟印』をいただきました。
新潟県新潟市の笹祝酒造のお酒です。今回は浜松町の日本酒アンテナショップ『名酒センター』でいただきました。
こちらのお店では他のお客さんと談笑することも少ないので、ソロでお邪魔すると味に集中してテイスティングしやすい気がします。蔵直かつ回転も早いのでお酒の状態も良いのがポイント高いです。
さて、この『笹祝』という銘柄、日本酒ファンでも聞いたことがない方もいらっしゃるかもしれません。それもそのはず、地元での消費量が9割を越える地元密着型の銘柄なのです。
地元の方や新潟県の地酒ファン(自分もその一人だと思っている)にとっては馴染みの深い『笹祝』ですが、 たしかに新潟県外ではなかなかお目にかかる機会が少ないかも?
数年前に雑誌 penで組まれた日本酒特集では『笹祝 純米酒 無濾過』が3ツ星に選出され話題になりました。まぁそれでも東京でしょっちゅう見かけるようになるわけではないですもんね~。
地方の過疎化&流通が発達した現在では、美酒といわれるお酒ほど東京を中心とする大都市圏に集まりやすい構造になっています。
その是非はさておき、美酒首都圏一極集中といえる状況下においても、新潟県のような清酒の消費量が多い都道府県では製造~消費のサイクルを地元でほぼ完結できる酒蔵さんも少なからず存在します。これって地元民にとっても酒蔵にとっても素晴らしいことですよねー。
人気銘柄では『鶴の友』の樋木酒造も「地元で売れなければ地酒じゃない」と公言し、県内での出荷を優先させています。
比較的都会に住んでいる自分が地元密着的な銘柄をいただくのは、ある意味地元の方のテリトリーを侵しているような気がして何となく後ろめたい気もするのですが、こういうお酒も好きなんでねー大目にみてくださいね(笑)
今回いただく『笹祝 新潟印』は、いわゆる「普通酒」と呼ばれるカテゴリーのお酒です。ざっくり言えば普段飲みの晩酌酒的なポジションのお酒ですね。
裏ラベルの説明文にも
地元で愛飲されているお酒です。
伝統的な味わいの中に、料理と酒がその特性を高めあい、心にやすらぎをあたえてくれます。
とあります。関東にいると『八海山』や『久保田』などのメジャーな銘柄でもなければ普通酒~本醸造クラスのお酒はなかなか飲めませんからね~。迷わず注文した次第です。
『笹祝 新潟印』日常酒としてはこれ以上求めるべくもない素晴らしい味わい。これが普通酒、これがスタンダード!
『笹祝 新潟印』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米)、醸造アルコール |
原料米 | 新潟県産米 |
精米歩合 | 65% |
アルコール分 | 15度以上16度未満 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、竹や檜、バニラを思わせる控えめな香りがします。
口に含むと、新潟らしい淡麗さもあるが口の中でふわりと膨らむような柔らかい上質な甘み。
うーむ、押し付けがましさはなく、実に甘露。なめらかな中口ですね。甘みの奥に軽めの酸、そして角の取れた苦味を感じます。中庸なれど非凡。
新潟酒の典型的な淡麗辛口スタイルに見られる隙のないスパっとキレる味わいもいいんですけど、『笹祝』のとっつきやすい丸みのある味わいもまた素晴らしいものですね。新潟市内のお酒ですが、独特のふっくらした旨みに上越地方のお酒を連想しました。今回は冷酒でいただきましたが、ぬる燗ぐらいの温度もよさそうです。
以前いただいた『笹祝 笹印 純米酒 無濾過』はモダンな要素も感じましたが、今回の『笹祝 新潟印』は徹頭徹尾トラディショナルな晩酌酒。何も考えず飲めるお酒って大事です!価格ももちろんリーズナブル。たしかにこれは地元で売っていたらストックしてしまうな~。
やはり新潟県のお酒は普通酒クラスの底が固いですね~。そういえば私の知人の日本酒ファンは「酒はいろいろ飲んだけど、今は一周回って普通酒がいい」なんて言っていたっけ。その意見に大いに賛同!
なんだかんだで帰ってくるのはいつも普通酒なのだ。地酒大国に乾杯!
それではまた。
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