こんにちは、しーたか(@s_sakearchive)です。
今回は『ちえびじん 純米吟醸 愛山』をいただきました。大分県杵築市の中野酒造のお酒です。
九州地方の蔵らしく、焼酎や梅酒造りにも力を入れていますが、本道はやはり日本酒でしょう。ここ10年で飛躍的に知名度を伸ばした銘柄です。コロナ禍以前に東京都内で活発に開催されていた日本酒イベント『若手の夜明け』によって、ブレイクの端緒を掴んだと言って差し支えないでしょう。
ブランド立ち上げ当初は、山田錦、八反錦、ひとめぼれなどが原料米の主力部隊でした。「ちえびじんであの酒米のお酒があったら、さぞかし美味いだろうな~」なんて妄想を広げながら飲んでいたあの頃。ちえびじんファンと同様に蔵元さんサイドでも「いつかはあの酒米で!」という想いは強かったんでしょうね。銘柄の知名度が上がっていくにつれて、愛山や備前雄町、彗星など使用する酒米の幅を徐々に広げていきました。
『ちえびじん 純米吟醸 愛山』角の取れた品の良い甘みが魅力的な1本。愛山の良さ、ちえびじんの良さ、それぞれを高いレベルで表現されています。
『ちえびじん 純米吟醸 愛山』の裏ラベルはこちら
スペック表も貼っておきます。
原材料 | 米(国産)、米麹(国産米) |
原料米 | 愛山 100% |
精米歩合 | 55% |
アルコール分 | 16度 |
それではいただいてみましょう。
グラスに口を近づけると、和梨や熟れた白ブドウ、マジックインキの香りが漂います。
口に含むと、みずみずしくもメロウでな飲み口から、艶のある甘旨みが膨らみます。火入れですが多少寝かせているからか、若干の粘度、トロみも感じますね。そしてこの糸を引くような透明感…。おーなかなかいいんじゃないですか!
ジューシーさもあるのにハッとするほど静かな余韻もこのお酒の持ち味でしょう。全体的に味の角が取れてアルコール感もさほどキツくないのがいいですね。円熟とは言いませんが、これがちえびじんの適熟の範疇ってことか。微かに舌を湿らす酸味も品があっていい仕事。
全体的にはミディアムボディ程度のボリュームですが、まったく物足りないということはなく、酒飲みでも納得できるボディ感に仕上がっています。グッと膨らみサッと引ける。この辺はアルコール分16度の設計がいい方向に作用していますね。
中野酒造では様々な酒米にチャレンジしていますが、特に愛山と八反錦はちえびじんの良さがよく表れるように思います。年によって出来の良し悪しは当然ありますが、現在の中野酒造のラインナップの中では『ちえびじん 純米吟醸 生熟 八反錦』と双璧を成すお酒だと思います!「わかりやすくウマイ酒」のいい見本でした。
それではまた。
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